評価:4
今回はロジクールのゲーミングキーボードの中で最上位機種である「G913」のレビューを書いていきます。
先にこのキーボードについての感想を一言で書くと、
「多機能で素早くキーを打ちやすい薄型ワイヤレスキーボード!」
と色んな要素がてんこ盛りなハイエンドモデルと言う印象でした。
特に初めて目にした時はその薄さに衝撃を受け、その厚さは普通のキーボードの半分以下となっています。
この記事ではそんな薄型キーボードの打ちやすさについてや、詳しい機能面について書いていくので是非参考にして下さい。
スイッチによる違いについて!
「G913」は搭載しているスイッチが違う3種類のモデルが販売されており、
- リニアキーモデル…打鍵感が弱めな赤軸の様なスイッチ
- タクタイルモデル…少し打鍵感があり、リニアとクリッキーの中間の特性を持った茶軸に似ているスイッチ
- クリッキーモデル…カチッとした強い打鍵感を持つ青軸の様なスイッチ
これらのモデルが用意されています。
そして今までのロジクールの上位モデルと言えば「ROMER-G」と呼ばれるロジクール独自のスイッチでしたが、「G913」ではKailh製の「ロープロファイルスイッチ(高さが低め)」が採用されています。
これによって厚さの薄い形状を可能にしており、押し幅も通常のキーボードの半分くらいで素早い入力がしやすくなっています。
またこの3種類は価格に違いは無いので、単純に打鍵感の強さの違いで選ぶのがおすすめです。
ちなみに私自身は打鍵感が弱めなキーボードが好きなのでリニアキーモデルを選びました。
G813との違いについて!
大きな違いはワイヤレスか有線かの違い!
「G813」は「G913」と一緒に発売されたモデルで、形状と使われているスイッチ、機能面などは全く同じ物です。
なので「G813」にも
の3種類のスイッチ違いモデルが販売されています。
そして「G913」との大きな違いとして「G813」はワイヤレスに対応しておらず有線接続のみとなっています。
G813にはUSBパススルーが搭載されている!
もう一つ大きな違いとして、有線モデルである「G813」にはUSBパススルーが搭載されています。
なので、ここにマウスなどを接続すればそのまま使う事が出来たり、スマホの充電などにも使う事が出来ます。
対して今回レビューする「G913」についてはこのUSBパススルーが付いていません。
価格の違い!
基本的な性能は殆ど同じとなっていますが「G913」の方がワイヤレスに対応している分、「G813」よりも7,000円近く高額になっています。
なのでワイヤレスを必要としない方や、なるべくコストを抑えてロジクールの最上位機種が欲しいと言う方は「G813」の方がおすすめです。
外観と内容物!
キーボード以外の付属物については、
- 充電用のUSBケーブル
- ワイヤレス接続用のUSBアダプタ
- 説明書や保証書
- ロジクールのステッカー
となっています。
画像を見ての通りとても薄く作られていて「G913」の最も目立つ特徴と言えます。
ちなみにこの厚さは22mmとなっており、平均的な厚さである「REALFORCE SA R2」と比べるとこれだけの差があります。
背面には斜めに傾けられるよう折り畳みのスタンドが付いています。
個人的にこれを使った方が打ちやすく感じました。
キーボードの左側には電源スイッチが付いています。
ちなみに電源についてはしばらく操作をしないと自動的に切れてくれるので一々使い終わった後に電源を切る必要がありません。
そして右側には充電用のUSBケーブルを接続する差込口があります。
キーボードのボディは金属製でカーボン調になっています。
なので薄型ながらも、とても頑丈に作られている印象があります。
設定と使い方について!
キーボードの操作について!
Gキー
このキーは自由に役割を割り当てる事が出来るショートカットキーです。
なので「CTRLキー」や「ALTキー」などと同時押しするショートカットを割り当てる事で、普段使いが便利になります。
私自身はブログ作業やDTMなどでショートカットを良く使っているので、それらのショートカットを割り当てて使っています。
Mキー
「G913」では上で紹介したGキーに3種類の役割を割り当てる事が出来ます。
そしてその役割を切り替えるのが「M1」「M2」「M3」の3種類です。
なのでこのキーボードは実質使えるショートカットキーが15個あります。
そして「MRキー」と言うのは、下で紹介している「ロジクールGハブ」を使わずにGキーの設定を変更する時に使うものです。
なのでわざわざソフトウェアを起動しなくてもGキーの内容を変更出来ます。
ちなみに「MRキー」の使い方が説明書に記載されて無く、私自身調べるのまでわからなかったので一応方法について書いておきます。
- MRキーを押す
- 設定を変更したいGキーを押す
- 割り当てたいキーやショートカットを押す。
- MRキーを押して完了
この様に一度流れを覚えてしまえば数秒で設定できるので簡単です。
ただし、「MRキー」を使った設定では次のキーを押すまでの時間も記録されてしまうので、複数のキーの完全な同時押し設定は出来ません。
なのでしっかりショートカットを設定したいのであれば「ロジクールGハブ」を使って設定を行うのがおすすめです。
ワイヤレスとBluetoothの切り替え!
「G913」では付属されているUSBデバイスによるワイヤレスだけで無く、Bluetooth接続で使う事も出来ます。
その切り替えは上のボタンを1回押すだけで切り替わるのでとても手軽です。
また切り替えに掛かる時間も殆ど無くボタンを押せば瞬時に切り替わるので煩わしさもありません。
これによって同時に2つのPCなどを1つのキーボードで操作出来るので、人によっては大きなメリットに感じると思います。
私自身はデスクトップPCを使いながらタブレットを使う事が多いので、その際にタブレット側のタイピングも出来てとても便利に感じました。
ちなみにBluetooth接続でも遅延は一切感じなかったです。
ゲームモードとライトの輝度調整!
ゲームモードは特定のキーを無効化する機能で、ゲームプレイ中に「windowsキー」や「全角/半角キー」を誤操作することを防げます。
ライトの明るさについては5段階で調整可能で、ここのボタンを押す事で明るさを切り替えられます。
メディアコントロール
ここで音楽の再生停止や先送り、ボリューム調節やミュートを行う事が可能です。
ボリューム調節のダイヤルについては追従性が高く、思った通りの所でピッタリ止めやすかったです。
ロジクールGハブの設定について!
「G913」ではロジクール製品専用のソフトウェア「ロジクールGハブ」を利用して細かい設定を行っていきます。
またこのソフトウェアは設定を行うだけで無く便利な機能も搭載されているので、それについても紹介していきます。
ソフトに合わせて自動的に設定が変更される!
個人的に「ロジクールGハブ」で気に入っている機能がこちらです。
ゲームやアプリケーション、デスクトップなど用途毎に分けて設定を作る事が可能で、ここで作成した設定はそのゲームやアプリを起動すると自動で切り替わってくれます。
これによって起動するソフトに合わせて手動で設定を切り替える必要が無いのでとても楽です。
また個人的に良い所としてはゲーム以外のアプリケーションにも適用出来る点です。
なのでゲーム以外でも動画編集ソフトや作曲ソフトなど、様々なソフトを起動する度に手動で設定を切り替えずに済むのでとても便利に使えます。
更にこのプロファイルは「G913」だけでなく、接続しているロジクールのゲーミングデバイス全てに適用されるものとなっています。
その為、もしロジクールのゲーミングマウスなどを使用しているのであれば、それらの設定もゲーム毎に作成して自動で切り替えさせる事が可能です。
私自身はこのキーボードと一緒に「G502WL」と「G PRO WIRELESS」の2つのマウスを使っているので、尚更この機能の便利さを感じています。
ライトの設定
ライトの設定についてはかなり細かく設定する事が可能で、元から用意されているプリセットだけでも25種類用意されています。
またそれだけで無く、自分だけのオリジナルの光り方を細かく作成することも出来ます。
これがその作成画面で、光が変化する波を選択してそれぞれ色を選択する事も出来ます。
Gキーの設定
Gキーは上で書いた通りショートカットボタンで、この画面で自由にキーやマクロを割り当てる事が出来ます。
ゲームモードの設定
この画面ではゲームモードにした際に無効化するキーを指定する事が出来ます。
良かった点!
ワイヤレスながらも遅延や混線が一切無い!
ワイヤレスと言えば操作の遅延を気にする人がいるかと思いますが、実際に使っていて遅延は全く感じられず有線キーボードと同じ操作感で使用できています。
また自分はマウスも「G502WL」「G PRO WIRELESS」と言うワイヤレスマウスを使っているのですが、それと干渉する事も無いです。
なのでワイヤレスによる接続性の心配をする必要はありませんでした。
充電持ちが設定次第でとても良く、充電時間も短い!
ワイヤレスと言えば充電が必要なので、バッテリー持ちが気になる方が多いと思います。
私自身も使う前は公式スペック表で最長30時間と書かれていたので、必要な充電頻度に少し心配があったのですが、実際使ってみて30時間以上持たせられる事がわかりました。
と言うのもスペック表の最長30時間と言うのは、
「バックライトの輝度をMAXの状態で使い続けた場合の持ち時間」
となっています。
なので、バックライトの輝度を一段階落とすだけでも2倍近く持続時間が延び、仮にバックライトを消せば1100時間以上持たせられるようになります。
ちなみに以下の画像はソフトウェア上で確認できる、それぞれの明るさでの推定バッテリー持続時間です。
(持ち時間は赤枠で囲っている部分に書いてあります。)
この持ち時間の長さに加えて、
「1分間何も押さなければ輝度を自動的に半分、もしくは消灯する」
というスリープ機能もあるので、仮に輝度をMAXで使い続けたとしても実質34時間以上持たせられます。
また充電時間についても3時間でMAXまで充電されるのでとても短いです。
なので個人的に充電を挟むことによる不便さは一切感じませんでした。
置き場所の自由度が高くPC周りのケーブルが減らせる!
ケーブルが無いことによってデスク上にキーボードを置いたとしても、スペースを広く取りやすいです。
特にキーボードの奥側のスペースにケーブルが無いので、物が置きやすくなります。
またキーボードのケーブルは長さが長い物が多く邪魔に感じやすかったのですが、それが無くなったのでPC周りの配線が思っていた以上にすっきりします。
そして私自身は「キーボードスライダー」を使っているのですが、FPSをプレイする時と普段使い時で配置を手軽に変えられるようになりました。
こんな感じで以前よりも配置の自由度が上がったので、ワイヤレスによる利点は思っていた以上に感じています。
押し心地が浅く、跳ね返りが強めで素早く打ちやすい!
やはり厚さが22mmと薄いだけあって押し心地についても薄めに感じられます。
(と言うより実際の押し幅も普通のキーボードの半分くらいです)
その為、スペックだけで無く体感的にも浅い位置で反応する様に感じられ、素早い入力がしやすいです。
またキー荷重が50gと重めな事によって跳ね返りも強く、素早い連打もしやすかったです。
なので個人的にFPSでもタイピングでも使いやすいキーボードと感じました。
厚さが薄いのでリストレストが必要ない!
私自身はパームレストが無いとキーボードが打ちにくく感じるので、今まで必ず使っていました。
しかし「G913」については厚さが薄い事によってパームレスト無しでも使いやすく、そのままでも特に問題ありません。
なので置き場所についてもパームリストの置き場所を考えずに決められます。
窪みが無く平面で掃除がしやすい!
キースイッチが付いているボディ面が窪みが無く平らになっているので、掃除がしやすい形状になっています。
なのでちょっとした埃であれば、エアダスターだけで綺麗に出来るので、個人的にとても良かったです。
人によっては気になる点!
価格がキーボードとしてはとても高額!
使い心地や機能面、質感など全てが最高に感じられる分、ゲーミングキーボードとしては最高級と言えるくらい高額となっています。
なので購入するまでの敷居は高いと思います。
とは言っても、
- ワイヤレスに対応
- 薄型の形状と押し心地
- GキーやBluetooth接続などの多機能さ
などこのキーボードにしか無い魅力が多数あるので、価格以上のパフォーマンスがあると感じています。
また上でも書きましたが、これの有線モデルである「G813」であれば、7,000円近く低価格で購入出来るので、コストを抑えたい方はそちらがおすすめです。
まとめ!
- ワイヤレスに対応している薄型キーボード!
- ワイヤレスでも遅延が一切無い!
- 金属製のカーボン調のボディで頑丈さと高級感がある!
- 充電持ちが良く、設定次第で3時間の充電で最大1100時間持つ!
- 浅い押し心地と程良い跳ね返りで素早く押しやすい!
- リストレストが無くてもそのまま使いやすい!
- ボディが平面で掃除がしやすい!
この様に「G913」は他のゲーミングキーボードには見られない超薄型の形状と押し心地で、素早くキーを打ちやすくなっています。
またワイヤレスの他に「Gキー」や「自動設定切り替え機能」「Bluetooth接続」など利便性にも優れています。
その分、価格が高額となっていますが、他のキーボードに無い要素が集まっているのでそれだけの価値があると思います。
なのでコスト面を気にせず、多機能さと薄型による素早い入力性、そしてワイヤレス機能が欲しいという方におすすめなモデルです。
またコストを抑えながらも「G913」と同じ形状と押し心地を求める方は有線モデルである「G813」がおすすめ出来ます。
それでは読んで頂きありがとうございました!