今回はCORSAIR製のモニター「XENEON 27QHD240 OLED」をレンタルさせて頂けたのでそのレビューを書いていきます。
目次
スペック
スペック | |
---|---|
パネル | 有機ELパネル |
解像度 | WQHD |
Hz | 240Hz |
応答速度 | 0.03ms |
HDR | 対応 |
色域カバー率 | DCI-P3 98.5% |
入出力端子 | HDMI 2.1 ×2 DP 1.4 ×1 USB-C(DP ALT)×1 USB-C(アップストリーム)×1 USB-A3.1gen1 ×4 |
スタンド調整 | 高さ(100mm) チルト(-7° / +15°) ピボット(+/-90°) スイベル(+/-30°) |
スピーカー | なし |
外観と付属物
付属品
まずケーブル類の付属品は、
- 電源コード
- USBC-Cケーブル
- USBC-Aケーブル
- Display Port 1.4ケーブル
- HDMI2.1ケーブル
となっています。
そして紙類の付属品は、
- カラーキャリブレーションのテスト結果
- 保証ガイド
- 安全ガイド
となっています。
説明書については公式サイトでダウンロードするみたいです。
ただこの記事を書いてる時点では、発売日前と言う事もあってダウンロードが出来ません。
外観
右下には、
- インプットの切り替えスイッチ
- 電源ボタン
- ジョイスティック
(設定の変更で使用)
が付いています。
左下には何も付いていません。
左側の後ろにはUSBハブとイヤホンジャックが付いています。
右側の後ろには、
- HDMI2.1
- DP1.4
- USB-C(65W給電 DP ALT)
- 電源コードの差込口
が付いています。
スタンド調整について
スタンドの調整は全て無段階で出来ます。
モニターの設定項目
モニターの設定項目は大きく分けて、
- 画像
- PIP/PBP
- OSD設定
- システム設定
- オーディオ
- 入力ソース
- 情報
に分かれています。
画像
画像の項目では、
- 画質のプリセット
(標準、ムービー、テキスト、sRGB、クリエイティブ、ゲーム) - 輝度
- コントラスト
- シャープネス
- 色温度
- ガンマ
- 彩度
- リフレッシュオーバーレイ
(画面右上に現在のフレームレートを表示) - クロスヘア
(画面中央の照準マークを表示)
の設定が出来ます。
PIP/PBP
この項目ではPIP/PBPで表示する入力ソースと位置を変更できます。
OSD設定
この項目ではモニターの言語と、設定メニューの透明度、設定メニューが消えるまでの時間を設定できます。
システム設定
この項目では、
- アスペクト比
- Adaptive Sync
- 残像リフレッシュ
(焼き付き防止のメンテナンスモードの様な物。8時間使い続けるとこの機能を使う様に警告メッセージが表示される。) - 軌道
(焼き付き防止の為の機能。ONにすると画像は1分間に1ピクセルずつ円形に移動する様になる。) - 輝度スタビライザー
(輝度を抑える設定) - ソース検出
- USB-C ALTモード
- 工場出荷時設定へのリセット
が変更できます。
オーディオ
モニターのイヤホンジャックの音量調整が出来ます。
入力ソース
入力ソースの切り替えが出来ます。
ただしモニター下に入力切替のボタンが付いてるのでそちらで切り替える方が簡単です。
情報
この項目では現在のモニターの設定が確認できます。
良い点
有機ELによるメリット
黒が真っ黒でくっきりしている
有機ELと言えば、
「液晶よりも黒の表現に長けている」
と良く言われますが、実際にかなり大きな違いがあります。
自分が普段使っているTNパネルやIPSパネルのモニターと見比べると、本当に真っ黒と言った感じで白っぽさが全くありません。
この黒がしっかりしている事によって、映像のくっきり感が増して高画質に感じられます。
これについては実際に見ないと伝わらないと思いますが、初めて有機ELモニターを使う人だと大きな違いを体感出来ると思います。
全体的に色が濃く見える
黒だけで無く他の色についても全体的に濃く見える様に感じます。
これによってとても見やすいので、
- FPSなどゲームでの視認性良い
- 普段のPC作業でも文字などが見やすく疲れにくい
など、液晶よりも集中せずに映像が見やすく感じます。
なのでゲームから普段使いまで、この画質の良さによるメリットが体感できます。
応答速度0.03msと超高速
最近のIPSパネルやTNパネルなどの液晶モニターも、
- 0.5ms
- 0.3ms
- 0.1ms
など1ms以下の高速なモデルが多くなっています。
しかし「XENEON 27QHD240 OLED」は液晶よりも応答速度に優れる有機ELなので、応答速度が0.03msと桁違いの速さとなっています。
それに加えて上で書いたように画質も良いので、
「IPSパネルよりも画質に優れてTNパネルよりも応答速度に優れる」
と良い所取りの性能を持っています。
なのでFPSなど応答速度が重要なゲームにピッタリです。
ただ自分が普段使っている「XL2746K(フルHD 240Hz TNパネル 0.5ms)」と使い比べても、遅延の少なさはそこまで感じませんでした。
と言うのも「XL2746K」自体も液晶の中ではトップクラスの応答速度で十分高速です。
なのでこの様なモニターから変える場合は、遅延の違いは体感しにくいと思います。
ただし、
- XL2746Kと体感変わらない応答速度で画質が断然良い
- 応答速度5ms以上のモニターと使い比べると明らかな違いを感じる
- 60Hz~144Hzなどのモニターと使い比べると応答速度だけで無く滑らかさも違う
となっているので、買い替えた結果メリットを感じられる人が多いと思います。
残像感が少ない
240Hzに対応しているのと応答速度が爆速と言う事もあって残像感も少ないです。
と言うのも応答速度が速いとドット一つ一つの色の切り替わりが速いので、画面内の動きがスムーズに表現されやすくなります。
なので自分が普段使っている240Hzモニター「XL2746K」の「DyAc+(残像軽減機能)」をオンの状態と比べても、「XENEON 27QHD240 OLED」の方が残像感が少なく感じます。
ちなみに「DyAc+」は、
「バックライトを一瞬オフにしてフレーム間に黒画面を挿入する」
と言う動作で残像感が少なく見える視覚効果を生み出しています。
ただしバックライトのON/OFFを繰り返すので目に負担が掛かりやすいと言う欠点があります。
なのでこの様な機能を使う事無く、残像感が少ないと言うのが「XENEON 27QHD240 OLED」の大きなメリットだと思います。
WQHD/240Hzのメリット
4Kよりも高いフレームレートを維持しやすい
詳しくは下の項目の、
「FPSタイトル毎の使用感」
で書いていますが、WQHDは4Kほど負荷が掛からないので自分のPCでは十分高いフレームレートを出せています。
なので自分と同じくらいのPCスペック、またはそれ以上のPCを持っているのであれば、WQHD/240Hz のメリットを体感できると思います。
フルHDで表示してもそこまで画質が悪くならない
このモニターのサイズは26.5インチとそこまで大きくは無いので、WQHDでは無くフルHDに設定してもそこまで画質が粗くなりません。
なので、
- FPSなどフレームレートを稼ぎたい時はフルHDで使用する
- FPS以外のゲームやPC作業ではWQHDで使用する
と言った様に使い分けも出来ます。
なのでFPS向けでありつつ、普段使いも使いやすいモニターを探してる人にとてもおすすめです。
ゲームとPC作業の両方兼用で使いやすい
普段自分は、
- ブログ記事の作成や普段使いなどでは5K WUHDのウルトラワイドと4K有機ELの「Innocn PU15-PRE」の2つのモニター
- FPSなどのゲームでは「XL2746K」
と用途毎でモニターを使い分けています。
と言うのもブログ記事の作成などで「XL2746K」を使用すると、フルHDで文字を長時間を見続けると画質が悪くて目が疲れやすく感じます。
逆にFPSで作業時に使ってるモニターを使うと、
- 応答速度が0.5msの物と比べると遅い
- 最大Hz数が低い
- 残像感を感じる
など不利な環境になってしまいます。
対して「XENEON 27QHD240 OLED」では
- FPS特化のモニター以上の応答速度に加えて240Hzにも対応
- WQHD対応で画質が良く、目が疲れにくい
など一つのモニターでゲームから普段使いまで問題無く使いやすいです。
機能面でのメリット
USBハブが4つある
USBハブが4つあるのでマウスやキーボードなど、USBデバイスを手軽に接続出来て便利です。
PCとUSB-Cケーブル1本での接続でも使える
USB-Cでの映像出力(DP ALTモード)に対応しているノートPCなどであれば、USB-C一本の接続で、
- 65W充電
- 映像出力
- USBハブ機能
の全てが使用出来るので、ノートPCを手軽に使いやすいです。
KVM機能に対応
KVM機能に対応しているので、
- USB-C(DP ALTモード)で接続しているノートPC
- もう一つのUSB-Cに接続しているデスクトップPC
など、二つの機材でモニターのUSBハブに接続しているマウスやキーボードなどを兼用できます。
なので同時に二つの機材を切り替えつつ作業する方にとって便利に使いやすいです。
焼き付き防止機能が搭載
有機ELの弱点として液晶に比べて焼き付きしやすいという事が挙げられます。
ただ「XENEON 27QHD240 OLED」では焼き付き防止機能として、
- 残像リフレッシュ
- 軌道
などが搭載されているので安心して使いやすいです。
ちなみに自分は1年半以上有機ELのモバイルモニター「Innocn PU15-PRE」を毎日数時間使用していますが、焼き付きは起きていません。
なので通常の使用であれば、有機ELでも焼き付きはあまり心配しなくても良いと思います。
その他のメリット
PS5でもWQHD、120fpsで使用可能
PS5はPCとは違った仕組みになっていて、モニターによっては120Hz以上対応でもPS5だと60Hzまでしか表示できない場合があります。
ただこのモニターではWQHD/120Hzで使用する事が出来ました。
その為PS5との兼用を考えている人にもおすすめ出来ます。
ケーブルの抜き差しがしやすい
大半のモニターはケーブルの接続口が下側に付いているので抜き差しが面倒な事が多いです。
対してこのモニターは接続口が全てモニター背面に付いているので、簡単に抜き差しがしやすくなっています。
気になった点
レバーの操作性があまり良くない
モニターの操作は下側に付いてるレバーで全て行いますが、スティックの操作性があまり良くないです。
このスティックは、
- 押し込み
- 前後左右の倒し込み
の5種類の操作が出来る物になっています。
そして押し込みが少し固めなのに対して倒し込みが軽いです。
これによって押し込もうとした時に間違えてスティックを傾けてしまうと言う事が起こりやすいです。
なので初期設定をする時に少し手間取りました。
モニターライトが良い感じに取り付けられない
「XENEON 27QHD240 OLED」は画面の上側と左右がかなり薄型に作られています。
これによってモニターの上に取り付けるデスクライト「BenQ ScreenBar」などが上手く取り付けられません。
一応取り付ける事は出来ますが、薄型によって上手く固定が出来ず斜め上に傾いてしまうので、ライトが直接視界に入って眩しいです。
なのでモニター掛け式デスクライトなど使いたい人は気を付けて下さい。
FPSタイトル毎の使用感
使用PC | パーツ名 |
---|---|
CPU | Intel Core i9 10900k |
メモリ | DDR4-3200 32GB×2 |
グラフィックボード | RTX3080 |
ここからは自分のPCでWQHD/240Hzの状態で何fps出せたのかを書いていきます。
簡単なPCスペックは上の表の通りです。
ちなみに計測には「CapFrameX」と言うソフトを使用し、3分間計測しています。
また計測し始めだけ極端にフレームレートが低く、または高く計測されている事があるので、その点だけ除外して参考にして下さい。
そして全て240fpsに制限していて、ゲーム内の設定はフレームレートを重視して殆ど最低設定にしています。
(それぞれのゲームタイトルで良くおすすめされているフレームレート重視の設定を参考にしています。)
VALORANT
FPS | |
---|---|
平均 | 237 |
最高 | 240 |
最低 | 221 |
VALORANTはかなり軽いゲームなので平均で237fpsとほぼ240fpsキープする事が出来ます。
Apex Legends
FPS | |
---|---|
平均 | 225 |
最高 | 240 |
最低 | 174 |
Apex Legendsもそこまで重いゲームでは無いので、WQHDでも平均225fpsでした。
ただ落ちる時は174fpsまで落ちるので、fpsの上下が少し大きいです。
なので自分のPCでは200fps辺りに制限してfpsの上下を抑えた方が良いように思います。
ちなみにフルHDに設定すると、
- 平均が239fps
- 最高が240fps
- 最低が215fps
となるのでfpsを重視するならフルHDでプレイするのが良いです。
COD MW2
FPS | |
---|---|
平均 | 181 |
最高 | 224 |
最低 | 148 |
MW2は比較的重いゲームなので、自分のPCでも240fps出すことが出来ませんでした。
ちなみにフルHD設定でも、
- 平均が213fps
- 最高が237fps
- 最低が176fps
となっていて他のタイトルに比べて低いです。
OW2
FPS | |
---|---|
平均 | 239 |
最高 | 240 |
最低 | 213 |
OW2はかなり軽いゲームなのでWQHDでも平均239fpsと高いです。
また最低でも213fpsとなっていて、そこまで落ちる頻度も少なくなっています。
ただフルHDに設定すると殆ど240fpsにビッタリな状態になるので、fpsを重視するならフルHDでプレイするのが良いです。