
MSIの「MAG 275CQRF QD E2」は、27インチ×WQHD×180Hzという丁度良いバランスに、Rapid VAパネルと量子ドットの広色域を掛け合わせた曲面ゲーミングモニターです。
1500Rカーブが視界を包み込み、VA特有の高コントラストで暗部もくっきりで、RAPID VAパネルなので応答速度にも優れています。
更に機能面でもUSB-CとUSBハブに加えてKVMにも対応しているので、ノートPCとデスクトップPCの兼用モニターとしても使いやすいです。
今回は「MAG 275CQRF QD E2」の特徴や良い点、気になる点について解説していくので是非参考にしてください。
目次
スペック表
スペック | |
---|---|
サイズ | 27インチ |
形状 | 曲面(1500R) |
パネル | Rapid VA(量子ドット) |
解像度 | WQHD |
Hz | 180Hz(DP / USB-C) 144Hz (HDMI) |
応答速度 | 0.5ms(GtG, 最小) |
色域 | RGBカバー率:99% AdobeRGBカバー率:97% DCI-P3カバー率:97% |
輝度 | 300cd/㎡ |
コントラスト比 | 5000:1 |
HDR | 対応 |
対応端子 | HDMI 2.0b ×2 DisplayPort 1.4a ×1 USB Type-C(DP Alt mode、15W給電) ×1 USB 2.0 Type-A(USBハブ) ×2 USB 2.0 Type-B(PC接続用) ×1 ヘッドホン出力 ×1 |
スピーカー | 非搭載 |
スタンド調整 | チルト −5〜20° スイベル ±20° 高さ 0〜110mm |
VRR | Adaptive-Sync |
保証 | 3年間 |
良い点
27インチ/WQHD/180Hzのバランスの良さ
27インチの画面にWQHD解像度を組み合わせることで、画素密度が十分に確保され、輪郭のキレが良い表示を得られます。
これによってゲームの映像はもちろん、文字のエッジもくっきりして読みやすさも向上するので作業の快適性を求める方にもおすすめ出来ます。
またWQHD×180Hzは解像度とHzともに高すぎないスペックなので、超ハイエンドPCでなくてもモニターの性能を引き出しやすいのが利点です。
さらに27インチなら、状況に応じてフルHDへ解像度を下げても粗さが気になりにくく、対人系FPSではFHD設定でプレイする選択肢も現実的です。
これなら比較的控えめなスペックのPCでも180fpsの維持を狙いやすくなります。
Rapid VAパネルで優れた応答速度と高コントラスト比
「MAG 275CQRF QD E2」はただのVAパネルでは無く、応答速度に優れたRapid VAパネルが採用されています。
その為、VAの強みである深い黒と高コントラストを持ちつつ、応答速度0.5msで残像感を抑え、180Hz駆動時でも動きのキレを確保してくれるので、FPS系のゲームでも使いやすいモニターです。
そして画質面では暗部がしっかり沈むため映像の立体感が出やすく、夜景やホラーゲームに多い暗いシーン、宇宙空間など黒の情報量がものを言うシーンで高い没入感を発揮してくれます。
量子ドットで優れた色域カバー率
量子ドットを用いた設計により、一般的なVAよりも色再現のレンジが大きく、深い赤・鮮やかな緑・澄んだ青までしっかり伸びます。
なのでスペック上でも、
- RGBカバー率:99%
- AdobeRGBカバー率:97%
- DCI-P3カバー率:97%
と広いカバー率で、ゲームや映画の派手な色使いはもちろん、画像や動画編集での正確な色の表示が必要な作業にも使いやすくなっています。
曲率1500Rの曲面モニター
1500Rという比較的強めのカーブが、27インチの視界をやわらかく包み込み、画面端との視距離差を抑えて視線移動を短縮してくれます。
その為、ゲームや動画鑑賞などの没入感を高めてくれるのは勿論、作業時でも画面端まで見やすい事によって様々な情報を視界内に収めやすいです。
USB-CとUSBハブ機能搭載でKVMにも対応
USB-C(DP Alt Mode/最大15W給電)入力に加え、USB-Bアップストリーム+USB-A×2のハブを内蔵しています。
更にKVM機能にも対応しているので、キーボードやマウスをモニター側に挿しておけば、デスクトップPCとノートPC(USB-C/USB-B接続)を切り替えで使用できます。
スタンドがピボット以外に対応
上下チルト、左右スイベル、高さ調整に対応しているので、目線や姿勢に合わせて細かく追い込めます。
また頻繁に位置を変える方でも使いやすいです。
その為、縦方向で使いたい、スタンドを無くしてデスクスペースを広くしたい、と言う訳で無ければモニターアームが無くても使いやすいです。
人によっては気になる点
スピーカー非搭載
内蔵スピーカーが搭載されていないので、音を出す場合は外部スピーカーやヘッドセットの利用が前提になっています。
USB Type-Cの給電が15Wと低め
USB-C端子は映像入力(DP Alt Mode)に対応しますが、給電は最大15Wと控えめです。
そして多くのノートPCが要求するW数は45〜65Wと言う事が多いので、これだけで給電まで完結させる使い方は現実的ではありません。
負荷の低い作業ならバッテリーの減りを緩やかにする程度の効果で、状況によってはじわじわとバッテリーが減る可能性が高いです。
その為、結局のところACアダプタを接続する必要があると思います。
HDR対応ながら輝度が300cd/m2と低め
HDR信号の入力自体には対応していますが、輝度は標準300cd/㎡とHDR対応としては低めです。
ちなみにHDRのハイライトを力強く押し上げるにはピーク600cd/㎡以上が望まれるため、「MAG 275CQRF QD E2」のHDR表現は対応レベルで効果は控えめと思っておいた方が良いです。
本格的なHDR体験を重視する場合は、HDR600/1000以上の認証や高ピーク輝度のMini LED・OLED系モデルを検討するのがおすすめ出来ます。
曲面モニターは好みが分かれる
1500Rのカーブは没入感や端まで均一な距離感といった利点がある一方で、直線基準の作業ではわずかな曲がりに違和感を感じる事があります。
なのでゲームや映像視聴中心なら誰でも恩恵を感じやすいですが、作業中心なら平面の見通しやすさを好むという具合に、用途と嗜好で評価が分かれやすいです。
なので直線を取り扱う作業をする事が多い方は気を付けて下さい。
こんな人におすすめ!
- 27インチ曲面のWQHD/180Hzモニターが欲しい方
- VAパネルが好きな方
- 応答速度が速いモデルを探してる方
- USB-C、USBハブ、KVM機能が欲しい方
この様に「MAG 275CQRF QD E2」は、27インチ/WQHD/180Hzという土台に、Rapid VA+量子ドットの組み合わせで
- 速さ
- コントラスト
- 色のリッチさ
をバランス良くまとめた曲面ゲーミングモニターです。
更に1500Rの没入感と視認性の良さ、KVM対応のUSB-C+USBハブでデスク周りの使い勝手も良いので、ゲームからPC作業まで快適にしてくれます。
一方でHDR効果は控えめ、USB-C給電は15W、スピーカー非搭載などの欠点もあり、人によっては曲面はデメリットに感じる場面もあるので気を付けて下さい。
その為、WQHD/180Hzで没入感と濃い発色に応答速度0.5ms、USB関連の機能面が欲しい方におすすめです。