
「ウルトラワイドで速さと没入感を低コストで両取りしたい」
PHILIPS EVNIAの「34M2C3500L/11」はそんな方向けのモニターです。
34インチの1500Rカーブにより横幅の広い作業空間と視認性の良さを発揮し、ゲームや映画などのフルスクリーンでは高い没入感を提供してくれます。
また最大180Hzで応答速度も速いのでFPSなどのゲームでも使いやすいです。
そしてVAパネルらしい高コントラスト比で黒の表現力が高いのも魅力です。
今回はそんな「34M2C3500L/11」の特徴や良い点、気になる点について解説していくので是非参考にしてください。
スペック表
スペック | |
---|---|
サイズ | 34インチ |
形状 | 曲面(1500R) |
アスペクト比 | 21:9 |
パネル | VA |
解像度 | 3440×1440 |
Hz | 180Hz |
応答速度 | 1ms(GTG) 0.5ms(MPRT) Smart MBR有効時 |
色域 | sRGB 125% DCI-P3 94% AdobeRGB 90% NTSC 105% |
輝度 | 300 cd/㎡ |
コントラスト比 | 4000:1 |
HDR | 対応 |
対応端子 | HDMI 2.0 ×2(100Hz) DisplayPort 1.4 ×1(180Hz) 3.5mmオーディオアウト |
スピーカー | なし |
スタンド調整 | チルト:-5〜20° |
VRR | Adaptive sync |
良い点
34インチでUWQHD/180Hzの高解像度、高リフレッシュレート
34インチに加えてUWQHDによる高解像度が合わさって横に広い作業スペースを確保する事が出来ます。
またリフレッシュレートは180Hzと高めなので滑らかな映像を表示してくれます。そしてUWQHDのPCへの負荷は、
- WQHDの約1.3倍の負荷
- 4Kの約0.6倍の解像度
と言った様にWQHD以上4K以下と言う強さなので、フレームレートも安定させやすい解像度となっています。
VAならではの高コントラスト比
VAパネルは黒の表現力に優れており、コントラスト比が4000:1と高めになっています。
これによってしっかりとした黒を表現してメリハリのある映像を映してくれます。
応答速度の速さとMBRに対応
応答速度が1ms(GTG)に加えて残像低減機能である「Smart MBR」にも対応しており、これをONにした場合は0.5ms((MPRT))となっています。
その為、「Smart MBR」をONにする事で高速で動く敵や素早く視点を振った時の視認性が良くなる効果があります。
ただしこの機能は、
- 明るさ低下(この機能ON時は輝度の調整が不可能)
- ちらつき
- VRRと同時併用不可
など、プレイするゲームや人の好みによっては合わない可能性があるので気を付けて下さい。
高い色域性能
色域が、
- sRGB 125%
- DCI-P3 94%
- AdobeRGB 90%
- NTSC 105%
と高めなので、ゲームなどでの高画質を発揮するだけでなく、軽い画像編集、映像編集などでも使えるスペックを持っています。
ゲーミング向けのサポート機能
ゲーミング向けのサポート機能が搭載されており、
- 暗所の強調表示機能
- 照準オーバーレイ(画面の中心にクロスヘア表示)
- ジャンル別ゲームプリセット
- 低入力遅延
などが用意されています。
5年間無償修理保証による安心感
PHILIPSのモニターは全機種に5年間の無償修理保証が付いているので長期間安心して使い続け易いです。
更に保証対象もパネル、バックライト、本体(部品や電源)となっています。
メーカーによっては画面の保証が1年間など短い場合もあるので、とても安心感があると思います。
ちなみに専用箱の無償提供、往復送料、検査技術料、修理キャンセル料も無料です。
34インチ180Hz/UWQHDモニターとしては最安値クラス(2025年9月時点)
2025年9月時点だと34インチ180Hz/UWQHDと言うスペックを持ったモニターとしては最安値クラスの価格になっています。
それでありながらスペック自体は結構高めなモニターとなっているので、コスパがとても良いです。
人によっては気になる点
HDMIは最大100Hzまで
HDMIポートについては最大100Hzまでとなってしまうので、PCをHDMIで接続して使いたいと言う人には向いていません。
輝度が300cd/㎡のHDR
HDRに対応していますが、輝度が300cd/㎡とHDR対応にしては低めになっています。
ちなみにHDRは輝度600cd/㎡以上で効果を実感しやすいと言われているので、「34M2C3500L/11」のHDR効果は控えめと思っておいた方が良いです。
ただしVAパネルで黒の表現力に優れているのでIPSパネルなどと比べれば高い効果を感じられると思います。
スタンド調整がチルトのみ
スタンド調整が上下のチルトにしか対応していないので、頻繁に位置を調整したい方には向いていません。
なので人によってはモニターアームが欲しくなると思います。
スピーカー非搭載
スピーカーが搭載されていないので音を出すには別で外付けスピーカーが必要になります。
USB関連の機能が非搭載
低価格帯モニターなので仕方ありませんが、USBハブ機能やUSB-Cなどは搭載されていません。
なのでこれらの機能が欲しい場合はもっと上の価格帯を検討するのが良いです。
10bit表示では165Hzまで
10bit表示では165Hzまでになってしまうので気を付けて下さい。
なので使用用途に合わせて設定を変えるのが良いです。
対戦系FPSをガチでやり込みたい場合は不向き(フルスクリーンでプレイする場合)
上で書いたように「34M2C3500L/11」は、
- 180Hz
- 応答速度1ms
とFPSにぴったりなスペックを持っています。
ただしフルスクリーンでプレイする場合は対戦系FPSには向いていません。
と言うのもFPSでは、
- キルログ
- マップ
- 自分の体力、スキルの状況
などを確認する為に画面端まで視線を動かす機会が多いためです。
一応「34M2C3500L/11」は曲面モニターなので平面よりは視認性が良いですが、それでも24インチクラスのモニターと比べれば視線を動かす量が多くなります。
これによって、
- 見逃しの原因
- 眼が疲れやすくなる原因
などに繋がるのでウルトラワイドモニターでフルスクリーンでのプレイはFPSには向いていません。
ただしFPSをやる時だけウィンドウモードでプレイする場合は、ゲーム画面を小さく出来るので問題ありません。
なのでウルトラワイドモニターでFPS系のゲームをやり込みたい場合は、ウィンドウモードでプレイするのがおすすめです。
ゲーム機は21:9に非対応なので横に引き延ばしか両端が黒帯になる
ゲーム機のアスペクト比は16:9なので、21:9のモニターで表示する場合は、
- 横への引き延ばしでフルスクリーン表示
- 左右に黒帯で16:9で表示
と言う事になります。
なのでPCよりもゲーム機メインでの使用を考えている人はウルトラワイドモニターはあまりお勧めできません。
こんな人におすすめ!
- 低コストでUWQHD/180Hzモニターを探している方
- 黒の表現力が高いVAパネルが好きな方
- 低価格帯ゆえの欠点が気にならない方
この様に「34M2C3500L/11」は低価格ながらも34インチ、UWQHD、180Hz、応答速度1msを兼ね備えたVAパネルのウルトラワイドモニターです。
なので作業のしやすさと没入感、高速性能を高コスパでまとめたモデルとなっています。
一方でHDR対応ながら明るさは控えめ、HDMIは100Hzまで、スタンドはチルトのみスピーカーとUSBなしなど、低価格ゆえの割り切り部分はあります。
それでもこの価格帯でUWQHD/180Hz対応と言うのは大きな魅力だと思います。
また5年間の保証が付いている点も安心です。
その為、なるべく低コストで34インチ、UWQHD/180Hzのモニターを探している方にお勧めできます。