
「XL2566X+」は24.1インチ/フルHDに、BenQ ZOWIE開発の「Fast TNパネル」を採用した400Hzモニターです。
更に独自の残像低減技術「DyAc 2」を搭載し、FPSでの高速な視点移動をクリアに見せることを突き詰めた設計になっています。
ちなみにVCT Pacific 2025の公式モニターにも採用されており、VALORANTやCS2などの競技FPSを本気でプレイしたい人に向けたモニターと言う明確なコンセプトを持つ一台です。
今回は「XL2566X+」の特徴や良い点、気になる点について解説していくので是非参考にしてください。
基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サイズ | 24.1インチ |
| 形状 | 平面 |
| パネル | Fast TN |
| 解像度/Hz | フルHD / 400Hz(DP接続時) 240Hz(HDMI接続時) |
| 応答速度 | 非公開 |
| 色域 | 非公開 |
| 輝度 | 320 cd/m²(標準値) |
| コントラスト比 | 1000:1 |
| HDR | 非対応 |
| 対応端子 | DisplayPort 1.4 × 1 HDMI 2.0 × 3 ヘッドフォンジャック |
| スピーカー | なし |
| スタンド調整 | 高さ調整 155mm チルト −5°〜+35° スイベル 左右各45° |
| VRR | Adaptive-Sync対応(DyAc™ 2 ON時は無効) |
| 保証(日本国内) | 3年保証(パネル・バックライトは1年) |
メリット
「Fast TNパネル」×400Hzで滑らかに表示できる
FPS系のゲームにおいて、リフレッシュレートの高さは映像の滑らかさと視認性に直結する重要な部分で、「XL2566X+」は400Hzと言うトップクラスのリフレッシュレートを持っています。
この400Hzは特にFPSプレイヤーと相性が良く、
- 視点移動が滑らかになってエイムがしやすくなる
- 遅延が少なくなる
- 素早く動くものの残像感が減って見やすくなる
など有利な環境でプレイが出来ます。
更に独自開発の「Fast TNパネル」を採用しており、公式の説明では一般的なOLEDパネルよりも残像感の少ない鮮明な表示が可能になっているようです。
その為、リフレッシュレートの高さと相まってFPS系ゲームを本気でやり込むことに特化されたモニターとなっています。
そして応答速度が非公開となっていますが、この非公開の理由を公式は以下の様に説明しています。
Q3: ZOWIE公式サイトでモニターの応答速度を示さなくなったのはなぜですか?
A: なぜなら、業界にはモニター応答時間の統一測定基準がないからです。各ブランドはモニター応答時間の測定に異なる基準を適用しています。つまり、パネルを購入するお客様が参考にできるベンチマーク基準がありません。しかし、前述したように、他のLCD技術に比べてFast-TNはその特性上、応答速度が最も速いものとなります。https://zowie.benq.com/ja-jp/knowledge/monitor/why-is-the-fast-tn-panel-best-for-esports.htmlからの引用
ちなみに同じFast TNパネルを搭載していた旧モデル「XL2566K」の応答速度は0.5msと表記されていました。
DyAc 2の残像低減効果で高速な視点移動中もシルエットを見やすくなる
残像低減機能と言うのは簡単に説明すると、
「バックライトを必要な瞬間だけ光らせ、不要な瞬間は消す」
と言う動作をすることで残像感を低減する機能です。
と言うのも、通常であればバックライトは基本的に点きっぱなしで、この状態で画面内の物体が動くと液晶分子の切り替わりが完全に追いつかず、前のフレームの光が少し残って「にじみ」や「残像」に見えます。
そこで液晶が次の映像に切り替わっている途中でバックライトを消し、真っ黒な状態を作り出すことで、切り替わった後の“きれいな瞬間”だけ画面に映るという仕組みになっています。
そして「XL2566X+」が対応している「DyAc 2」は従来の「DyAc+」などが単一バックライト設計だったのに対して、デュアルバックライト設計に改良されています。
このデュアルバックライトは単純に、
「ライトが2個あるから明るい」
と言うより光らせ方の自由度を増やしています。
例えば単一バックライトでは「光る → 消える → 光る → 消える」と言う動作でしたが、デュアルバックライトでは、
- バックライトA:タイミング重視で点滅
- バックライトB:光の出方・見え方を補助
などと言った様に、光り方を細かく調整できるようになり、残像感を減らしつつ、光の出方を柔らかくして目への負担の抑えやすさも両立できます。
ちなみに他のメーカーでも残像低減機能を搭載しているモデルはありますが、殆どの場合は画面の最大輝度が下がってしまい、使い物にならないと感じる事が多いです。
一方でBenQ ZOWIE独自の残像低減機能は明るい輝度を維持しながら機能を発揮できるので、別格の使用感となっています。
なので残像低減機能が欲しいのであればBenQ ZOWIE製を選ぶのが一番です。
そしてこの残像感が少なくなることで、
- フルオート射撃している時、照準・敵・弾道の見え方がブレにくい
- 素早く視点移動した時、背景が流れにくく視認性が良くなる
- 素早く動くものの動きが見やすくなる
などFPS系ゲームにおいて大きなメリットが得られます。
TN系パネルながらも鮮やかな発色
TNパネルと言えば発色が悪いなど、画質面に関してのデメリットが挙げられですががちですが、「XL2566X+」ではカラー性能を高める為に再設計されています。
これによって公式の説明によるとsRGB色域の95%~99%をカバーされており、加えて「XL2566X+」には色の鮮やかさを20段階で調整できる「Color Vibrance」と言う機能も搭載されているので、TNパネルの欠点をカバーした設計です。
HDMI3つ搭載で複数機器での兼用がしやすい
対応端子はDisplayPort 1.4×1とHDMI 2.0×3の合計4系統と豊富です。
なのでメインPCをDP 1.4で接続して400Hz運用しながら、残りのHDMIにゲーム機やサブPCなどを接続して兼用できるようになっています。
ただしHDMI 2.0では240Hzまでとなっているので気を付けて下さい。
ちなみに前モデル「XL2566K」と比べるとHDMIが2個から3個に増え、ポートの向きが横向き設計に変更されてケーブルの脱着が楽になっています。
スタンド調整がピボット以外に対応
スタンド調整が高さ、左右、チルト対応してに対応しているので、
- 目線の高さにしっかり合わせる
- 左右の向きを変える事が多い
と言う使い方がモニターアーム無しで行えます。
また高さ調整には工業用グレードのベアリングが採用されていて、引っかかりなく滑らかに高さを変更できるようになっています。
そしてスタンドの台座がコンパクトに設計されており、マウスパッドやキーボードなどと干渉しにくく、デスク上のマウスの振り幅を確保しやすいです。
S.Switchとアイシールドが付属
「S.Switch」は手元に置いて操作するコントローラー型のアクセサリーです。
モニターのOSDを開かずに、3パターンのプリセット設定をボタン1つで即座に切り替えられるため、ゲームのシチュエーションやマップに合わせてBlack EQualizer・Color Vibranceなどの設定を素早く変更できます。
またモニター画面の左右に付ける「アイシールド」は、モニター周りの壁などが視界に入らなくなり、画面にのみ集中しやすい環境を作り出してくれます。
VCT Pacific 2025公式モニター採用実績があり、プロと同じで設定でプレイできる
「XL2566X+」はVALORANTの国際大会「VCT Pacific 2025」の公式モニターとして採用されており、トッププロ選手が実際の競技で使用した機材と同一モデルです。
そして専用のソフトウェア「XL Setting to Share」を使うと、プロ選手が公開している設定プロファイルをダウンロードしてモニターにワンタッチで適用できます。
また、ゲームを自動検知してカラーモードを切り替える「Auto Game Mode」機能も搭載しており、タイトルをまたいで使う場合でも設定の手間を省きやすい設計です。
デメリット・注意点
高速性能より画質の良さを重視する人には向かない
上で「TN系パネルながらも鮮やかな発色」と書きましたが、それでも同価格帯クラスのIPSパネルや有機ELパネルと比較してしまうとパネルの特性上、画質面では劣ります。
また同価格帯だとWQHDや4Kと言った高解像度モデルも多いので、フルHDである「XL2566X+」は尚更画質面で不利になりやすいです。
実際のレビューでも画質面を指摘されている事が多く、動画・映画鑑賞、写真・動画編集など、発色の豊かさを必要とする用途には不向きです。
なので基本的にはFPSで勝つ為に設計されたモニターと割り切る必要があります。
400Hzをフルに活かすには、高性能なGPUが必要
4KやWQHDなどよりも負荷の軽いフルHDとはいえ、ゲームプレイ中に500fps近くを継続して出力するには高いPCスペックが必要です。
ちなみに自分が使っているPCがどれだけフレームレートを出せるのかについては、ゲームの設定側で使っているモニターのHz以上の数値にフレームレートを制限することで確認が出来ます。
(ゲームタイトルによっては出来ない場合もあります。)
なので心配な方は試しにチェックしてみてください。
DyAc 2とVRRは同時に使用できない
DyAc 2をONにするとVRRが自動的にOFFになるので、この二つの同時使用はできません。
なので使い分けとしては、
- 対人戦FPS系のゲームで400Hzをほぼキープできる場合は「DyAc 2」を使用
- シングルプレイ系の重めなゲームでフレームレートが大きく上下しやすい場合は「VRR」を使用
と言った様に使い分けるのがおすすめです。
ちなみに「DyAc 2」をONにするとバックライトが点滅するためフリッカーフリーも無効になります。
なのでフリッカーに敏感な体質の方は、長時間使用時に目や頭への影響を感じる可能性があるので気を付けて下さい。
スピーカー非搭載
「XL2566X+」にはスピーカーが内蔵されていません。
とは言え、モニター内蔵スピーカーは、構造上どうしても音質が犠牲になりがちなので、
- FPSで足音などの方向を正確に聴き取りたい
- 高音質を楽しみたい
と言う場合はどちらにしてもヘッドセットやイヤホン、外部スピーカーなどを用意する必要があります。
そしてスピーカーが無いことでコストを抑えられている部分もあるので、内蔵スピーカーが不要な方にとっては逆にメリットに感じられると思います。
高価格で同価格帯の他モニターとの比較検討が必要になる
価格については時期によって上下することがありますが、2026年6月時点では約12万円とゲーミングモニターの中でもかなりの高価格帯に位置します。
そしてこの価格帯になってくると、
- 有機ELパネルのモデル
- HDR1000以上のモデル
(例:INNOCN GA32V1M) - 4K/フルHDのデュアルモード対応モデル
(例:KTC G32P5) - WQHD/480Hzのモデル
(例:INZONE M10S SDM-27Q10S)
などHzと画質面に優れたモデルも選択肢に入ってきます。
なので、
「400Hz + Fast TNパネル + DyAc 2のFPSに特化したモニターが欲しいかどうか」
という明確な目的があるかが、購入判断の大きな分岐点になると思います。
保証がパネル・バックライトは1年間のみ
10万円を超える製品ながらパネル・バックライトの保証に関しては1年間のみと短めになっています。
他のメーカーでは3年間や5年間と言う場合も珍しくないので、長期間使い続けやすい安心感が欲しい方からすると選びにくいかもしれません。
おすすめしやすい人、おすすめしにくい人
おすすめしやすい人
- VALORANTやCS2などの競技系FPSに本格的に取り組んでおり、FPS特化のモニターが欲しい人
- フルHD/400fpsを出せる高スペックなPCを所持しており、FPSで安定して高フレームレートを出せる環境がある人
- プロシーンと同じ機材環境で練習したい人、またはプロゲーマーを目指している人
- 競技専用モニターとして割り切って使い、映像鑑賞・作業用のモニターは別途用意できる人(またはその必要がない人)
おすすめしにくい人
- 動画・映画鑑賞や写真・動画編集など、発色の豊かさを必要とする用途がある人
- 現在のPCスペックでFPSタイトルを安定して300fps以上出せない環境の人(240Hzモニターの方がおすすめ)
- フリッカー(ちらつき)に敏感な体質で、長時間のバックライト点滅に不安がある人
- 同価格帯のOLEDモニターなどと比較して映像美も重視したい人
- 対戦系FPSをプレイしない人
まとめ
この様に「XL2566X+」は、
「映像美よりも動体視認性」
というコンセプトを一切妥協なく突き詰めたFPS特化のモニターです。
「400Hz+Fast TNパネル+DyAc 2」の組み合わせは、フルHDモニターとしては高価格というデメリットを差し引いても、競技FPSの場面で実用的な価値を発揮します。
なので購入前には、
「FPSで400fps近くを安定して出せるPCがあるか」
「映像鑑賞・作業用のモニターを別に確保しているか」
などを考えて検討するのがおすすめです。
VCT Pacific 2025の公式モニターとしての実績も踏まえ、競技FPSのパフォーマンス向上を第一に考えている方にとって、最適な選択肢のひとつとなる一台と言えます。








