
今回はデュアルモードに対応している4K/フルHDモニターについて書いていきます。
デュアルモードについてや二つの解像度に対応している事によるメリット、選び方についても書いていくので是非参考にしてみてください。
デュアルモード対応モニターのメリット
対応解像度と対応Hzを切り替えられる
解像度と言うのは画素(色付けされたドット)の密度の事で、モニターは沢山の画素を表示して映像を映しています。
この画素数が多ければ画素同士の途切れが少なくなり、キメ細かい精細な画像として人間は認識出来るので、よりくっきりと見やすい映像に感じられます。
そして上の画像は「8K」「4K」「WQHD」「フルHD」の比較画像です。
画素数は上画像の様に(横×縦)と表されており、この画素数の求め方は単純に掛け算をする事で把握できます。
それぞれの具体的な画素数の違いは以下の通りです。
4K | 3840×2160 | 8,294,400 |
WQHD | 2560×1440 | 3,686,400 |
フルHD | 1920×1080 | 2,073,600 |
また、モニターに映る映像は1秒間にパラパラ漫画の様に何回も画像を点滅させて表現されています。
この回数が多ければ多いほど現実世界に近い滑らかな映像に見える様になり、特にFPSにおいては大きなメリットを感じられます。
そして320Hzモニターはこの点滅回数が1秒間に320回していると言う事になり、この点滅回数が多いことによって、
- 画面の動きが滑らかになって視認性が良くなる
- 激しい画面の動きでも目が追いつきやすくなる
- 細かい操作が画面に反映されやすくなってエイムの微調整がしやすくなる
- 武器の反動モーションなど細かい動きが映像に反映されやすくなって制御がしやすくなる
- 映像のヌルヌルとした滑らかさによって操作するのが楽しくなる
など、動きの激しいゲーム、特にFPSにおいてメリットがあります。
そして4K/フルHDデュアルモード対応モニターは二つの解像度とHzを切り替えられる事が可能で、例えば「MSI MAG 321CUPDF」の場合は、
- 4K/160Hz
- フルHD/320Hz
この二つから切り替えられます。
一つのモニターでゲームと普段使いそれぞれを快適に使い分けられる
上で書いたように、デュアルモード対応モニターは二つの解像度と対応Hzを切り替えられるので、
- FPS系のゲームなど競技性の高いゲームをやる時は「フルHD/320Hzモード」にする
- 普段のPC作業など画質を重視したい時は「4K/160Hzモード」を使う
と言った様に、それぞれの用途に合わせた使い方が出来ます。
これによって一台のモニターで、まるで二つのモニターを使い分けている様な使用感になっています。
デュアルモード対応モニターのデメリット
値段が高い
2025年5月時点だとデュアルモード対応モニターに低価格モデルは無く、安くても8万円前後掛かってしまいます。
ただしデュアルモード対応モニターは一つのモニターで、
- FPS系の競技性の高いゲームで使用する時はフルHDモード
- それ以外の用途で高画質で使いたい場合は4Kモード
と言った様に使い分けが出来るので、一つのモニターでモニター二台分の働きをしてくれます。
なので仮に「MSI MAG 321CUPDF」の場合、
- 4K/160Hzモニター
- フルHD/320Hzモニター
これら二台分の価格として考えれば、コスパに優れています。
デュアルモード対応モニターの選び方
使われているパネルを確認する
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
IPSパネル | ・色の表現が鮮やかで画質が綺麗 ・視野角が広い (斜めからモニターを見ても映像が見える範囲) | ・応答速度が遅め (現在では応答速度にも優れたFAST IPSパネルなども多い) ・コントラスト比が低め ・TN、VAパネルに比べて高額 |
TNパネル | ・IPS、VAに比べて応答速度が速い ・FPSなどのアクションゲームに向いている ・応答速度、対応Hzの速さに対して低価格 | ・他のパネルに比べて発色が悪い ・視野角が狭い (斜めからモニターを見ると画面が見にくくなる) |
VAパネル | ・黒の表現力が高い ・コントラスト比が高め ・そこそこ速い応答速度 ・他のパネルに比べて低価格なモデルが多い ・曲面モデルが多い | ・応答速度が速くない (現在では応答速度に優れたRAPID VAなどもある) ・視野角が少し狭い ・TN、IPSの中間的な性能 |
有機EL(OLED) | ・上記三つの液晶パネルよりも発色の良さが段違いで画質が良い ・応答速度が0.03msなど液晶よりも段違いの速さ ・完璧な黒を表現可能で明暗の差の表現力が高い ・TN以上の応答速度、IPS以上の発色の良さ、VA以上の黒の表現力を兼ね備えた高性能パネル | ・値段が高い ・構造上焼き付きが発生する可能性がある。 (最近のモニターでは焼き付き対策の機能が搭載されているので安心して使える) |
モニターのパネルには主に「IPSパネル」「TNパネル」「VAパネル」「有機EL(OLED)」の4種類があり、それぞれの違いが上の表の通りです。
なので自分の使用用途に合わせてパネルを選ぶのがおすすめです。
ただし2025年5月時点ではデュアルモード対応モニターにTNパネルのモデルは無いので、
「IPSパネル」「VAパネル」「有機EL(OLED)」
この三つの中から選ぶ事になります。
選び方の例としては、
- コストを掛けられるなら有機EL
- 画質の良さを重視するなら鮮やかな色を表現する有機EL、またはIPSパネル。
- なるべく低コストで購入したい方はVAパネル。
この様に選ぶと良いです。
応答速度を確認する
応答速度は1msなどmsと言う単位で表記されていて、1msは1000分の1秒を表しています。
そしてこの値が小さいほど、
- 操作してから画面に動きが反映されるまでが速くなる
- 映像の遅延が少なくなる
などのメリットがあり、操作性が良くなったり遅延が少なくなって有利になります。
なのでこの値は小さければ小さいほど良いですが、その分値段も高くなります。
サイズエミュレート機能の確認
サイズエミュレート機能はモニターに映る映像の範囲を狭くして疑似的に小さいモニターとして使える機能になっています。
なので例えば32インチのモニターで「27インチモード」に対応している場合は、
「中心の27インチの大きさの範囲だけ画面が映って周りの余白は黒くなる」
と言った感じになります。
これによって、
- 32インチでも画面サイズが小さくなる事で画素の密度が高く維持され、フルHD表示でもぼやけ感が防止できる
- 画面全体が視界内に入りやすくなり目の動きが少なく済み、FPS系のゲームなどで集中しやすくなる、目が疲れにくくなる
等のメリットが得られます。
なので特にFPSプレイヤー向けの機能になっているので、その様なゲームをプレイする方はこの機能が付いているモデルを選ぶのがおすすめです。
対応端子の確認
モニターによって、
- DPポートの数
- HDMIポートの数
- USBハブ機能の数
- USB-Cに対応しているかどうか
などの違いあるので確認すると良いです。
スピーカーがあるかどうか?(モニターのスピーカーを使う場合)
別でスピーカーを用意せずにモニターのスピーカーを使いたいのであれば、スピーカーの有無を確認するのが良いです。
ただし基本的にモニターのスピーカーは音質が悪く、これは物凄く高額で高性能なモニターでも音質が悪いことが殆どです。
なので音質を重視するのであればスピーカーは別で用意するのがおすすめです。
スタンド調整機能の確認(モニターアームを使わない場合)
- モニターアームを使わない
- モニターの高さや角度などを変える事が多い
と言う場合は対応しているスタンド調整機能も確認すると良いです。
ただしスタンド調整機能が多機能なほど値段も高額になりやすく、どんなに調整機能が優れていても、
- モニターアームほどの自由度は無い
- スタンドをデスクの上に置く事になるのでモニターアームよりもデスクスペースを取る
と言う事になるので、スタンドに拘るのであればモニターアームを別で用意するのが一番おすすめ出来ます。
垂直同期技術はあまり気にしなくて良い
垂直同期技術に関しては最近のモニターであれば、
- NVIDIA G-Sync Compatible
- FREE SYNC
- Adaptive Sync
に対応と記載されているのが殆どで、逆に対応していない物は現在主流のモニターだとありません。
またこれら三つは、
「NVIDIA G-Sync Compatible = FREE SYNC = Adaptive Sync」
と言う関係になっています。
と言うのも
- Adaptive SyncはFREE SYNCの名前が変わっただけ
- NVIDIA G-Sync CompatibleはNVIDIA製GPUで使えるFREE SYNC
となっており、モニターにNVIDIA G-Sync Compatible対応と記載されてなくても、FREE SYNC、Adaptive Syncに対応していれば使えます。
なのでPCで使うモニターを探しているのであれば垂直同期技術の対応の有無は気にしなくても大丈夫です。
4K/フルHDデュアルモード対応のおすすめなモニター
ASUS ROG Strix XG27UCG
スペック | |
---|---|
Hz | 4K@160Hz フルHD@320Hz |
パネル | Fast IPS |
HDR | HDR400 |
応答速度 | 1ms (GTG) |
色域 | sRGBカバー率:130% |
スピーカー | なし |
対応端子 | DisplayPort 1.4x 1 HDMI (v2.1)x 1 USB-Cx 1 (DP Alt Mode) イヤホンジャック |
スタンド | チルト : Yes (+20° ~ -5°) スイーベル : Yes (+45° ~ -45°) ピボット : Yes (+90° ~ -90°) 高さ調整 : 0~120mm |
輝度 | 350cd/㎡ 400 cd/㎡ (HDR,ピーク) |
コントラスト比 | 1000:1 |
表面 | ノングレア |
VRR | Adaptive-Sync AMD FreeSync Premium |
4K/160HzとフルHD/320Hzそれぞれに切り替えられるデュアルモードに対応したモデルです。
なので、
- FPS以外のゲームや普段使いでは4Kモードで画質重視で使う
- FPSではフルHD/320Hzでリフレッシュレートとフレームレート重視で使う
と言った様に、用途毎にモードを切り替えて最適な環境で使えます。
その他にも、
- 応答速度に優れた Fast IPS
- 応答速度1ms
- HDR400に対応
- sRGBカバー率:130%と広い色域
- USB-Cx 1 (DP Alt Mode,15W給電)に対応
- 調整の自由度が高いスタンド
など優れた点が多いです。
それでいて4K/160Hzに対応しているモニターの中では低価格なのでコスパに優れています。
27インチで4K/160Hz、フルHD/320Hzのデュアルモードに対応しているモニターを探してる人におすすめです。
MSI MAG 321CUPDF
スペック | |
---|---|
Hz | 4K@160Hz フルHD@320Hz |
パネル | RAPID VA |
曲率 | 1,500R |
HDR | HDR 400 |
応答速度 | 0.5ms(GTG、最小値) |
色域 | sRGBカバー率:99% AdobeRGBカバー率:93% DCI-P3カバー率:97% |
スピーカー | なし |
対応端子 | HDMI 2.1(HDCP:2.3) ×2 DisplayPort 1.4a(HDCP:2.3) ×1 USB Type-C(DP Alt mode) ×1 ヘッドホン出力 ×1 |
スタンド | チルト -5° ~ 20° 高さ調節 0 ~ 130(mm) |
輝度 | 350cd/㎡ 400 cd/㎡ (HDR,ピーク) |
コントラスト比 | 3,000:1 |
表面 | ノングレア |
VRR | FreeSync Premium |
こちらも上で紹介した「ASUS ROG Strix XG27UCG」と同じ様に、4K/160HzとフルHD/320Hzのデュアルモードに対応しているモデルです。
ただしそれ以外では異なる部分が多くこの製品の特長としては、
- 32インチ
- 応答速度の速いRAPID VA
- 応答速度0.5msと高速
- 曲率1,500Rの曲面モニター
- USB Type-C(DP Alt mode)に対応
- HDR 400に対応
- 24.5インチモード、または27インチモードのサイズエミュレート機能
などが挙げられます。
なので32インチサイズながらも、
- 24.5インチ
- 27インチ
のモニターとして使う事も出来るのでFPSプレイヤーにも相性が良い大型モニターです。
加えて解像度とHzも変えられるので普段使いから競技性の高いゲームまで、幅広く快適に使えるモニターとなっています。
幅広い用途で使いやすい32インチの曲面モニターが欲しい方にお勧めです。
LG UltraGear OLED 32GS95UV-B
スペック | |
---|---|
Hz | 4K@240Hz FHD@480Hz |
パネル | 有機EL |
HDR | DisplayHDR True Black 400 |
応答速度 | 0.03ms(GTG) |
色域 | DCI-P3 98.5% |
スピーカー | 7W+7W |
対応端子 | HDMI x2 DisplayPort x1(Ver.1.4) USBアップストリーム x1(USB 3.0) USBダウンストリーム x2(USB 3.0) ヘッドホン(ステレオミニジャック) x1(4極 : ヘッドホン出力+マイク入力) |
スタンド | チルト角度 前:-8゚~後:15゚ スイベル角度 左30゚/右30゚ 高さ調整 110mm ピボット 右90゚ |
輝度 | 275cd/㎡(APL 1.5%時 1300cd/㎡) |
コントラスト比 | 1,500,000:1 |
表面 | アンチグレア |
VRR | NVIDIA G-Sync Compatible AMD FreeSync VESA Adaptive-Sync |
こちらもデュアルモードに対応したモデルで4K/240Hz、フルHD480Hzの二つへ切り替える事が出来ます。
なので4Kのままでも高リフレッシュレートで使えるだけで無く、フルHDなら物凄くヌルヌルした映像を映すことが出来ます。
(ただしかなり高いPCスペックが必要になります。)
それ以外でも、
- 黒の表現力と発色、応答速度に優れる有機EL
- 応答速度0.03ms
- DisplayHDR True Black 400に対応
- 7W+7Wのスピーカー搭載
- USBハブ機能搭載
- チルト、スイベル、高さ、ピボットの一通りが調整できるスタンド
- フルHD表示時は24インチ/27インチサイズに切り換えが可能
など全体的にハイスペックで便利になっています。
その分、価格も高額なのでトップクラスの性能を持った4KまたはフルHDの高Hzモデルを探してる人におすすめです。