
PCデスク周りの配線をシンプルにしたい人、横長の作業領域で効率を上げたい人におすすめなのがLGの「34WQ75C-B」です。
UWQHDのウルトラワイドでパネルはIPS、USB Type-C一本で映像+データ+給電+LANケーブルをまとめられるドック的な使い勝手が魅力です。
また資料やブラウザ、タイムラインを横に並べても視界に収まり、PBPやKVMなどマルチPC運用向けの機能も用意されています。
今回は「34WQ75C-B」の特徴や良い点、気になる点について解説していくので是非参考にしてください。
目次
スペック表
スペック | |
---|---|
サイズ | 34インチ |
形状 | 曲面(3800R) |
アスペクト比 | 21:9 |
パネル | IPS(非光沢) |
解像度 | 3440×1440 |
Hz | 60Hz |
応答速度 | 5ms(GtG, Faster設定時) |
色域 | sRGB 99% |
輝度 | 300 cd/㎡ |
コントラスト比 | 1,000:1 |
HDR | 対応 |
対応端子 | HDMI ×2 DisplayPort 1.4 ×1 USB Type-C(映像/データ/給電 最大90W) USB-Aダウン ×4 USB-Bアップ ×1 LAN(RJ45)×1 ヘッドホン端子 |
スピーカー | 7W+7W(MaxxAudio) |
スタンド調整 | 高さ調整(0〜110mm) チルト(-5〜20°) |
良い点
IPSパネルで色が素直、どこから見ても安定
IPSはTNやVAと比べて色の出方が自然で、再現性に優れます。
さらに視野角が広いため、正面から外れた位置でも色味や明るさの変化が少なく、複数人で同じ画面を確認するときも見やすさを保てます。
特に横幅の長いウルトラワイドでは、端の表示も角度が付きがちです。
IPSの広い視野角はこの横に広い環境と相性がよく、ウルトラワイドモニターではメリットを感じやすいです。
対応端子が豊富でケーブル一本でドック化できる
HDMI×2とDisplayPort×1に加え、映像・データ・最大90W給電に対応するUSB Type-Cを搭載しています。
さらにUSBハブとして使えるUSB-A×4と**RJ-45(有線LAN)**も備えています。
その為、USB-C対応ノートなら、ケーブル1本つなぐだけで下記を同時にまかなえます。
- 画面出力(映像)
- 周辺機器/ストレージのデータ接続
- ノートPCへの電源供給(最大90W)
- 安定した有線LAN接続
外付けドックを追加しなくても、机上の配線をすっきりまとめられるのが強みです。
KVM+PBPで“2台同時”の作業がスムーズ
KVM機能により、モニターのUSB-Aに挿したマウス/キーボードを2台のPCで共有する事が出来ます。
例えばUSB-Cで繋いだノートPCと、USB-Bで接続したデスクトップのどちらにも、ワンタッチで切り替えられます。
さらにPBPを使えば、USB-C側と別の映像ポートに繋いだ機器の映像を横並びで同時表示出来ます。
これによって両方の画面を見ながらマウスとキーボードで操作する対象を切り替える、といった運用ができるので、2台PCの並行作業がやりやすくなります。
7W+7Wと大きめなW数のスピーカーでMaxxAudioにも対応
左右7Wのスピーカーを搭載し、モニターとしては出力に余裕があります。
さらにMaxxAudio対応で、EQやダイナミクス処理、疑似的な低域ブーストによって、音の厚みと聴き取りやすさを引き上げます。
これによって小型筐体でありがちな痩せた音を補正し、モニター内蔵スピーカーとしては物足りなさを感じにくく、日常用途なら十分にこなせるクオリティです。
人によっては気になる点
60Hzで競技系FPSには不利
60Hzなので144Hz/240Hzといった高リフレッシュ前提の対戦FPSでは優位性を得にくく、本気でやり込みたい方には適しません。
表示の滑らかさや入力遅延・残像の少なさが勝敗に直結するシーンでは、スペック面で物足りなさを感じやすいと思います。
一方で、シングルプレイのアクションやRPG、アドベンチャーなど動きの緩やかなゲームであれば、60Hzでも快適に楽しめるはずです。
標準300cd/㎡で、HDR効果はおとなしめ
HDR10に対応していますが、明るさが300cd/㎡と高くないため、ハイライトの眩しさや暗部とのコントラストの伸びは控えめです。
一般に600cd/㎡以上あるとHDR効果を体感しやすいとされるので、「34WQ75C-B」のHDRは入門寄りのライトな効果と思っておいた方が良いです。
曲率3800Rはほんのりカーブ
「34WQ75C-B」は曲面モデルですが、3800Rとカーブはかなり緩めです。
曲率は数字が小さいほど曲がりが強く、目安としては、
- 800R … 非常に強いカーブ
- 1000R … 強め
- 1500R / 1800R … 標準的
- 2300R … やや緩い
といった感覚です。
これらと比べると3800Rはかなり穏やかなので、視界を包み込むような没入感は控えめです。
スタンド調整は高さ/チルトのみ
スタンドの可動は高さ調整と前後チルトのみでスイベルには対応していません。
なので目線に対しての調整などは行えますが、左右の向きは変更できないので、頻繁に位置を調整する方は不便に感じるかもしれません。
家庭用ゲーム機は21:9非対応(引き延ばし or 黒帯表示になる)
現行の家庭用ゲーム機は基本的に16:9固定で出力するため、ウルトラワイド(21:9)には対応していません。
そのため「34WQ75C-B」にゲーム機をつなぐと、
- 横方向に引き延ばして全画面表示(比率が崩れる)
- 左右に黒帯を出して16:9のまま表示(正しい比率だが表示は小さめ)
のいずれかになります。
なのでゲーム機中心で使うモニターを探している場合は、ウルトラワイドは相性が良くないので気を付けて下さい。
こんな人におすすめ!
- 情報量の多い作業を横長で効率化したい人
- PC二台での同時作業をしたい方
- デスク周りをすっきりさせたい方
- ノートPCを使用している方
- 外部スピーカーを使わずにそこそこの音質が欲しい方
この様に「34WQ75C-B」は34インチ/UWQHDの横長作業領域にUSB-C+有線LAN+KVM+PBPを一体化したドック機能に優れたウルトラワイドモニターです。
ノートPCをケーブル一本でつなぐだけで配線が整い、2台PCの切り替え・同時表示もスマート、IPSの見やすさと7W+7Wスピーカー(MaxxAudio)で、PC作業を快適にこなしやすいです。
一方で60Hzや300cd/㎡級のHDR、3800Rの緩いカーブ、スタンドが高さ/チルトのみといった点が気になる人もいるかもしれません。
その分、機能面に対して価格が抑えられているので、コスパに優れた多機能ウルトラワイドモニターとなっています。