
ゲーミングモニターは年々高性能化していますが、その中でもソニー INZONEの「M10S SDM-27Q10S」はWQHD/480Hz/有機ELという、とことんハイスペックなモデルとなっています。
WQHD/480Hzによって画質と高速性能の両方に優れ、競技性の高いゲームから画質重視のゲーム、動画鑑賞などあらゆる用途で使いやすいです。
また有機ELによる発色の良さと応答速度の速さもあるのでかなりハイレベルです。
加えてプロeスポーツチーム「Fnatic」と共同開発されたFPS専用画質モードや、競技シーンを意識したエルゴノミックスタンド。
焼き付き防止機能+3年間の保証など、ハードウェアとソフトウェアの両面から本気でプレイする人を支える工夫も盛り込まれています。
今回は「M10S SDM-27Q10S」の特徴や良い点、気になる点について解説していくので是非参考にしてください。
目次
スペック表
| スペック | |
|---|---|
| サイズ | 27インチ |
| 形状 | 平面 |
| パネル | 有機EL(アンチグレア) |
| 解像度&Hz | WQHD/480Hz |
| 応答速度 | 0.03ms(GTG) |
| 色域 | DCI-P3 98.5% |
| 輝度 | ピーク輝度 1,300cd/㎡ |
| コントラスト比 | 1,500,000:1 |
| HDR | VESA DisplayHDR True Black 400 |
| 対応端子 | DisplayPort 2.1×1 HDMI 2.1 ×2 USB-B(アップストリーム)×1 USB-A(ダウンストリーム)×2 ヘッドホン出力(3.5mm)×1 USB-A x1 (SW Update) |
| スピーカー | なし |
| スタンド調整 | 高さ調整:120mm チルト:-5〜+25° スイーベル:±180° |
| VRR | Adaptive-Sync(VESA DP) NVIDIA G-SYNC Compatible HDMI 2.1 VRR |
| 保証 | 3年間 |
良い点
WQHDと高解像度ながら480Hzに対応
最近のWQHDモニターと言えば144Hz~240Hzのモデルが多いですが、こちらは480Hzとかなり高い数値となっています。
ちなみに最もHz数が高いモデルが多いフルHDのモニターでは、
- 510Hz
- 540Hz
- 600Hz
- 610Hz
などがあり、「M10S SDM-27Q10S」はそれらに迫るリフレッシュレートを持ちつつWQHDと言う点がこのモニターの大きな魅力だと思います。
なのでWQHDによる高画質と480Hzによる高速性能を持ち合わせているので、
- 作業時は文字の輪郭などがはっきりして読みやすく目が疲れにくい
- シングルプレイ系の画質重視のゲームをプレイする場合も高画質で楽しめる
- FPSなど競技性の高いゲームでも500Hzで快適
と言った様に幅広い用途で活躍してくれます。
またモニターのサイズが27インチと大きすぎず、24.5インチモードも搭載されているので、フルHDに設定を落としても画素密度低下による粗が気になりにくいです。
なのでWQHD/480fpsを維持できるようなPCを使っていない場合でも、フルHDに設定を落とす事で480Hzの恩恵を受けやすく出来ます。
有機ELによる画質の良さと高速性能
有機ELパネルならでは圧倒的なコントラストが魅力で、バックライトを使わない自発光方式のため黒は完全に消灯されます
これによって完全な真っ黒を表現可能で、暗いシーンでもグレーっぽくならず、細かなディテールをくっきり描き出してくれます。
加えて広色域に対応しているので、ネオンや爆発のような派手なエフェクトは鮮やかに、肌色や空のグラデーションは自然に再現され、ゲームや動画鑑賞でも満足度の高い画質を味わえます。
更に応答速度0.03msと、液晶パネルとは桁違いの速さを持っています。
これと480Hzが合わさって視点移動やフリック中でも残像感が少なく、敵の動きや弾道がはっきり見やすくなります。
なので「画質性能」と「ガチな対戦ゲーム向けの性能」のどちらも取りたいプレイヤーにとって理想的な組み合わせと言えます。
Fnatic共同開発によって作られたFPS専用画質モード
「M10S SDM-27Q10S」ならではの特徴のひとつが、プロeスポーツチーム「Fnatic(VALORANT部門)」と共同開発されたFPS専用画質モードです。
プロが実戦の中で求める“見え方”を反映して調整されており、暗所に潜む敵や遠距離のシルエットを視認しやすくすることに特化しています。
コントラストやガンマ、シャドウ部の持ち上げ方などがFPS向けに最適化されているので、デフォルト設定のままよりも、1クリックで「敵が見やすい」状態に近づけられるのが魅力です。
また、Fnatic監修のモードでは、過度に色を派手にしすぎず、ターゲットの輪郭や動きが追いやすいようにチューニングされているため、長時間プレイでも目が疲れにくいのもポイント。
実戦的な画質プリセットが用意されていることで、購入直後から細かい設定に悩まず、すぐに“戦える画面”を引き出せるようになっています。
Fnatic共同開発によるエルゴノミックデザインのスタンド
「M10S SDM-27Q10S」のスタンドは、プロeスポーツチーム「Fnatic」との共同開発により、競技シーンでの使いやすさを突き詰めたエルゴノミックデザインになっています。
台座部分はできるだけコンパクトに抑えられており、マウスパッドとキーボードをモニター近くに設置したり、斜めに構えるといったFPSプレイヤー特有のレイアウトが組みやすいです。
可動に関しても高さ調整やチルト、スイベルに対応しているため、自分の姿勢やマウスの持ち方に合わせて画面の位置を細かく追い込めます。
プロの「こう置きたい」という要望を反映した設計のおかげで、視線と手元の位置関係を整えやすく、長時間プレイでも無理のないフォームを維持しやすいスタンドに仕上がっています。
USBハブ機能に対応
USBハブ機能に対応しており、モニター背面にUSB-Aポートを備えています。
PCとモニターをUSBケーブルでつないでおけば、マウスやキーボードなどをモニター側にまとめて接続できるため、デスク上の配線をすっきり整理しやすくなります。
焼き付き防止機能と3年間の保証
有機ELの弱点として焼き付きの問題がありますが、「M10S SDM-27Q10S」ではこの焼き付きを抑えるために、複数の保護機能を備えています。
スクリーンセーバーやピクセルシフト、ピクセル/パネルリフレッシュといった機能によって、同じUIやロゴが長時間表示され続けた場合でも負荷を分散し、パネルへのダメージを軽減する設計になっています。
ゲーム中のミニマップやステータスバーなど、固定表示されがちな要素が多いタイトルでも、こうした自動ケア機能のおかげで、より安心して有機EL画質を活かせるのがポイントです。
さらに心強いのが、焼き付きに対する3年間の保証が用意されている点です。
万が一、通常の使用環境で焼き付きが発生してしまった場合でも、サポートを受けられるので、
「有機ELは気になるけれど、焼き付きが怖くて踏み切れない」
という人でもハード面の対策と保証の両方が揃っていることで、一歩踏み出しやすいモデルと言えます。
人によっては気になる点
USB-C映像入力やKVMには非対応
このクラスの価格帯のモデルとなるとUSB-CやKVMに対応しているモデルも多いですが、「M10S SDM-27Q10S」は対応していません。
なので純粋なゲーミング向けモデルと言った感じなので、接続性の良さを求める人には合いません。
スピーカー非搭載
スピーカーが搭載されていないので、音を出すには別で外部スピーカーやヘッドホンを用意する必要があります。
とは言ってもモニターのスピーカーは基本的に音質が悪く、内蔵されていても別で用意する方が多いので、そこまで大きな欠点には感じないと思います。
こんな人におすすめ!
- WQHD/480Hzの高解像度、高リフレッシュレートが欲しい方
- 対戦FPS系ゲームをやり込みたい方
- 有機ELのモニターが欲しい方
この様に「M10S SDM-27Q10S」は、WQHD/480Hzに有機ELならでは画質の良さと応答速度0.03msを組み合わせた、かなり尖ったゲーミングモニターです。
プロチームFnaticと共同開発されたFPS専用画質モードや、マウススペースを確保しやすいスタンド形状など、ただスペックが高いだけでなく、
「どうすれば勝ちやすいか」
という観点で作り込まれているのが大きな魅力と言えます。
さらに、焼き付き防止機能と3年間の焼き付き保証によって、有機ELへの不安をある程度カバーしている点も見逃せません。
一方でUSB-CやKVMには非対応、スピーカー非搭載と言った省かれている機能もあるので、同じ価格帯でPC作業の快適さを重視されて作られているモデル比べると不便さがあります。
ただしこのモデルは
「本気でゲームをやりつつ、画質に優れたモニターが欲しい人向けのモデル」
となっているのでゲーマーからすると、省かれている機能面は必要に感じない人も多いと思います。









