評価:5
今回は発売前ながらもロジクール様より提供して頂いた「MixAmp Pro TR(2019年新型)」のレビューを書いていきます。
こちらは以前からFPSゲーマーから人気の高いヘッドホンアンプの新型モデルで、旧型については2018年に日本国内正規品が発売されていました。
そして2019年4月に海外にて今回の新型モデルが発売され、日本でも6月27日に発売されることが決定しています。
ちなみに私自身、旧型については数年間使用しており、今回の新型を使用した第一印象は、
「音質と質感が更に良くなった!」
と感じました。
その為、今回の記事では旧型と比べながら詳しく書いていきます。
また「A40TR」とセットで使用したレビューについては別の記事で書いているので、アンプだけでなくヘッドセットも気になる方はそちらを参考にして下さい。
[blogcard url="https://freeallblog.com/2019/06/23/new-astro-a40tr-mixamp-pro-tr-review/"]こちらの記事ではアンプにのみ絞った詳細レビュー記事となるので、アンプのみの購入を考えている方は是非参考にして下さい。
外観
正面
旧型では縦置きを前提にした形状でしたが、新型では横置きを前提とした形になっています。
付いている操作類は基本的に旧型と同じで、
- 全体ボリューム調整(大きいダイヤル)
- ボイチャとゲーム音のバランス調整(小さい方)
- サラウンドのON/OFFボタン
- イコライザープリセットの切り替えボタン
となっています。
横側
横側には操作類のボタンは特にありません。
旧型と同じように少し傾斜していて操作がしやすいようになっています。
上側
新型ではヘッドセット入力以外の差込口が全て上側についています。
また旧型では電源ボタン長押しがPS4/PCモード切替でしたが、新型では独立したスイッチが付いています。
ちなみに付いている差込口については、
- PS4に繋ぐ「光デジタル端子」
- PS4又はPCに繋ぐ「USB端子」
- スマホや音楽プレーヤーから音を取れる「AUX端子」
- アンプに入力された音をPCなどに出力する「STREAM端子」
- 「MixAmp Pro TR」同士を繋いでローカル環境でボイチャが出来る「デイジーチェーン」
となっています。
下側
下側についてはヘッドホン端子だけとなっていて、旧型と比べてすっきりしています。
また新型はPS4とPCモードどちらになっているのかを表示してくれるようになっています。
使い方について!
専用のソフトウェア「ASTRO COMMAND CENTER」について!
「MixAmp Pro TR」はPCに「ASTRO COMMAND CENTER」をインストールする事で細かい設定を行う事が出来ます。
ちなみにこのソフトウェアはこちらの公式サイト、またはマイクロソフトストアにてダウンロードできます。
しかし公式サイトでダウンロード出来る方では新型の「MixAmp Pro TR」を認識してくれない事があるそうです。
(私自身は認識してくれました。)
なのでソフトウェアをダウンロードする時はマイクロソフトストアでダウンロードしておくのが無難です。
イコライザーの設定!
アンプをPCモードにした状態で接続し、「ASTRO COMMAND CENTER」を起動させると上画像のイコライザー設定が表示されます。
ここではアンプ内に保存する4つのイコライザー設定を変更する事が可能です。
また一つずつのプリセットを細かく調整する事も可能で、右下当たりの「詳細設定」をクリックすれば調整画面へ移動します。
この画面では5つの帯域を選択して+7~-7の範囲で上げ下げが可能です。
また一番下の帯域幅と言うのはその名の通りで、真ん中3つの帯域をどれだけ広く調整するかを表しています。
しかしこれらについてはこの様なイコライザーを触った事が無い方からすると
「訳が分からない」「どの様にいじればいいのかわからない」
と思われるかもしれません。
しかしデフォルトで設定されているイコライザー設定のままでも十分使いやすいので、無理にいじる必要はありません。
ちなみに上画像で表示している設定は「BEASTMODE 2.0 HEAVY」と呼ばれる設定で、
「CODシリーズに特化した設定から、様々なFPSタイトルでも使いやすくした万能設定」
となっています。
なのでFPSをプレイする方でイコライザーが良くわからないという方は是非試してみて下さい。
マイクの設定!
マイクの設定では「ノイズゲート」「マイクレベル」「サイドトーン」の設定を行う事が可能です。
これを使う事で自分の声が聴き取りやすくなり話しやすくなる。
ちなみに以下の記事でも書いていますが、ノイズゲートはデフォルトのままだと強く掛かりすぎるので、「ストリーミング」か「夜」にしておくのがおすすめです。
[blogcard url="https://freeallblog.com/2019/06/24/astro-mixamp-pro-tr-setting/"]ストリームポートの設定!
この項目ではストリームポート端子で送り出す音の音量バランスを変更する事が出来ます。
なのでアンプを通してゲーム音やマイクなどを録音する方にはとても役立つと思います。
良かった点!
旧型よりも出音の音質、マイク音質が良くなった!
音質については旧型よりも良くなっており、よりクリアに感じられました。
一番大きな違いに感じた点としては高音域の明瞭さで、旧型よりも音に広がりと鮮明さに優れています。
これのお陰で細かい音が聴き取りやすく、足音以外にリロード音や姿勢変更の音、銃声の余韻などもバッチリ聴こえます。
定位に関しても更にくっきりとして掴みやすくなっており、点から音が鳴っている様な感覚で旧型よりも更に厳密な方向が分かりやすいです。
また新型では出音の音質だけでなくマイクの音質も強化されています。
その為、旧型から乗り換えるという方でも音質の差はしっかり感じられると思います。
ちなみに「MixAmp Pro TR」を使う際はPS4側で正しい設定をしないと音質が悪くなります。
設定方法については以下の記事で書いているので、実際に購入した方は是非参考にして下さい。
[blogcard url="https://freeallblog.com/2019/06/24/astro-mixamp-pro-tr-setting/"]どんなヘッドセット、ヘッドホン、イヤホンでも接続すれば高音質化、サラウンド化が可能!
「MixAmp Pro TR」はセット販売されている「A40TR」以外にも、3.5mm端子(イヤホン端子)で接続できるヘッドホン、ヘッドセット、イヤホンであれば何でも使う事が出来ます。
そしてこの端子で接続して使うヘッドセットとしてはゼンハイザーの「GSP600」など高価格なモデルもありますが、2,000円~3,000円の低価格なヘッドセットがとても多いです。
そのような低価格なヘッドセットでもこのアンプに繋ぐだけで、音質と定位の掴みやすさを大きく強化する事が出来ます。
実際に私が所持している中で最も低価格なモデルである「SOULBEAT LB-903」を試してみましたが、同じヘッドセットとは思えない音を出してくれました。
勿論、高額な高性能ヘッドホンであれば、その性能を鳴らしきる事が出来るので、コントローラー直指しよりも更なる高音質を体感できます。
特に私が所持している中で最も抵抗値が高い「audiotechnica ATH-R70x(470Ω)」もしっかり良い音が出てくれたのでとても良かったです。
なので現在使っているヘッドセットを変更しないまま高音質化したいという方にとてもおすすめ出来ます。
イコライザーによってFPSから音楽鑑賞まで幅広く使い易い!
本格的なゲーミングデバイスの場合は、音質傾向がゲーミングに特化されている物が多く、音楽鑑賞で使うと、
「低音、高音が強すぎる!」
などと言う事がありがちです。
しかし上でも書いた通り「MixAmp Pro TR」では細かくいじれるイコライザー機能が付いているので、ゲームだけでなく音楽鑑賞向けの設定にする事も出来ます。
また、そのイコライザー設定についてはアンプに付いているボタンで切り替えられるので、用途毎に合わせて使いやすいです。
ちなみに音楽鑑賞で使う場合はデフォルト設定の中にある「BALANCED」がジャンルに関係なく使いやすく感じました。
サラウンドはプレイするゲーム、好みによって使うかどうか決めるのがおすすめ!
製品によってはサラウンド機能は音をぼやけさせるだけで実用性が無かったり、音量のメリハリが無くなって距離感が掴みにくくなるなど、逆効果が生まれる場合があります。
しかし「MixAmp Pro TR」のサラウンド機能は性能が良く、程よい残響感を出して自然な定位表現をしてくれます。
とは言っても、やはりOFFにした方が定位のクッキリさが強く正確な方向をピンポイントで掴みやすいです。
特にCODシリーズなど爆発音や銃声が絶え間無く鳴る音数が多いゲームでは、サラウンドはOFFにした方が聴き取りやすく感じます。
これは個人的な感想ですが、音数が多くなってくると残響音が大きくなってきて、音の方向が分かりにくくなってきます。
なのでサラウンドについては実際に試してみて使うかどうかを決めるのがおすすめです。
ちなみにサラウンドを使うと低音域が強調されてくるので、イコライザーで低音を少し下げておくのがおすすめ出来ます。
PS4とPC両方で使用可能!
「MixAmp Pro TR」はPS4とPC向けに作られているので、そのどちらでも性能を落とすことなく使用出来ます。
なのでPS4またPCで使えるゲーミング向けアンプを探している方にピッタリです。
同時に3つの機材の音声を流せる!
ミックスアンプでは
- USBケーブルからの音
- 光デジタルケーブルからの音
- AUX端子からの音
これら3種類の音を同時に流す事が出来ます。
なので使いようによってはPS4からのゲーム音、PCからのチャット音声、スマホから音楽を流すと言った使い方も可能です。
PCを使わずに設定の切り替えが可能!
細かい設定に関しては上で書いた通りPC上で行う必要がありますが、
- イコライザープリセットの切り替え
- サラウンドのON/OFF切り替え
- マスターボリューム調整
- ゲーム音声とボイチャ音声のミックス調整
- PS4/PCモードの切り替え
これらについてはアンプのボタンとスイッチ、ダイヤルで変更できます。
なので一々PCを起動せずに状況に合わせて使えるのでとても便利です。
旧型よりも汚れにくく傷が付きにくい!
旧型ではツヤがある素材で指紋が付きやすく、傷も付きやすかったです。
特に傷の付きやすさについてはかなりデリケートで、メガネ拭きなどで軽く拭いても傷が付くほどでした。
なので3年近く使った自分の旧型はかなり傷だらけになっています。
対して新型では表面の質感が変わっており、マットな質感になっています。
これのお陰で指紋の跡が付きにくく、軽く拭いたりしても傷が付かないのでこれはとても良かったと思います。
注意点!
PS4 Slimで使う場合は「HDMIオーディオ分配器」が必要!
PS4 PROでは無くPS4Slimには光デジタル端子が付いていません。
しかし「MixAmp Pro TR」をPS4で使用する場合は光デジタルで接続する必要があるので、このままでは使えないです。
そこで、PS4Slimで使う場合は光デジタル端子を使えるようにする「HDMIオーディオ分配器」が必要になります。
おすすめの「HDMIオーディオ分配器」としては「保証期間の長さ」「動作の安定性」「価格の安さ」の点から以下のモデルがおすすめです。
PCによっては相性が悪い事がある!(解決済み)
これは私自身のメインPCで起きた事ですが、付属のUSBケーブルで接続してもPCが認識してくれませんでした。
一方、他のPCに指した場合は問題無く認識したので不良品という訳でもありません。
しかし付属のUSBケーブル以外で接続したら認識しなかったメインPCでも認識してくれるようになりました。
なので実際に購入して認識しないという方はケーブルを別の物に変えて試してみて下さい。
まとめ!
- 「ASTRO COMMAND CENTER」はマイクロソフトストアでダウンロードするのがおすすめ!
- アンプ内に4つのイコライザー設定を保存し、いつでも切り替えられる!
- イコライザーはデフォルトの物でも聴き取りやすい!
- FPSでのイコライザー設定は「BEASTMODE 2.0 HEAVY」がおすすめ!
- 旧型よりも出音とマイクの音質が更に良くなった!
- イヤホン端子で接続できるヘッドホン、イヤホンであれば何でも使用できる!
- 低価格なヘッドセットでも高音質化が狙える!
- 高性能なイヤホン端子ヘッドセットと相性が良い!
- FPSから音楽鑑賞まで幅広く使いやすい!
- 旧型よりも長期間綺麗な状態で使いやすくなった!
この様に「MixAmp Pro TR(2019年新型)」は元々完成度が高かった旧型モデルより更にクオリティがアップし、更なる高音質化がされています。
その他、音質以外でも汚れと傷が付きにくくなった点も個人的に嬉しい点です。
またこの製品の一番の魅力と言えば、
「自分の好きなヘッドセット、イヤホンを高音質化、サラウンド化させて使える!」
と言う点です。
なので
- 今使っているヘッドホンをそのまま高音質化させたい!
- 旧型MixAmp Pro TRから音響環境を強化したい!
- コントローラー直指しで使っている高性能ヘッドホンの本領を発揮させたい!
と言う方にとてもおすすめ出来ます。
それでは読んで頂きありがとうございました!