
MSIの「MAG 272UP QD-OLED E16」は、5層タンデムQD-OLEDパネルを採用した26.5インチ/4K/165Hzのゲーミングモニターです。
5層タンデムと言う設計になっている事により、従来の有機ELよりも消費電力を抑えつつ高輝度を維持しやすく、最大輝度も30%向上されています。
さらに工場出荷時キャリブレーションによるDelta E ≤ 2の色精度で、ゲーミング用途~クリエイティブ用途まで1台でこなしたいユーザーに向いています。
また、HDMI 2.1を2ポート、USB-Cまで備えているので複数機器での兼用もしやすく、フル可動スタンドにまで対応しています。
今回は「MAG 272UP QD-OLED E16」の特徴や良い点、気になる点について解説していくので是非参考にしてください。
基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サイズ | 26.5インチ |
| 形状 | 平面 |
| パネル | 5層タンデムQD-OLED/ハーフグレア(反射防止コーティング) |
| 解像度/Hz | 4K / 165Hz |
| 応答速度 | 0.03ms(GTG) |
| 色域 | DCI-P3 99% AdobeRGB 98% sRGB 100% |
| 輝度 | 250 cd/m² (ピーク時:1000 cd/m²) |
| コントラスト比 | 1500000:1 |
| HDR | DisplayHDR True Black 400 |
| 対応端子 | HDMI 2.1 ×2 DisplayPort 1.4a ×1 USB Type-C(DP Alt mode、15W給電)×1 ヘッドホン出力 ×1 |
| スピーカー | 非搭載 |
| スタンド調整 | チルト -5°〜+20° 高さ調整 0〜110mm スイベル -30°〜+30° ピボット -90°〜+90° |
| VRR | G-SYNC Compatible FreeSync |
| 保証(日本国内) | 3年間 |
メリット
5層タンデムQD-OLEDと4Kによる高画質
「MAG 272UP QD-OLED E16」は5層タンデムQD-OLEDパネルを採用しており、完全な黒と色交じりの無い綺麗な発色による高画質を発揮してくれます。
と言うのも液晶ではバックライトの構造上、
- 黒を表示しているときでも光が完全に遮断されない
(完全な黒が表現できない) - バックライトで照らして映像を映すので隣のピクセル同士の色が混ざりやすい
(有機ELはピクセル自体が発光する為、色が混ざらない)
と言う様になっています。
一方で有機ELはピクセル自体が発光するので、黒い部分のピクセルを完全に消灯でき、隣のピクセル同士で色が混ざる事も無く液晶とは次元の異なる深い黒、発色を表現できます。
加えて4Kと言う高解像度になっているので、とても画質に優れたモニターとなっています。
また「MAG 272UP QD-OLED E16」が採用している5層タンデム構造は、消費電力を抑えながらピーク輝度の持続時間が延び、輝度も最大30%上がっているなど従来の有機ELよりも優れています。
4K/165Hzに対応
「MAG 272UP QD-OLED E16」は4Kに加えてリフレッシュレートも165Hzと高めになっているので、ゲーミング用途にも使いやすくなっています。
またサイズが27インチと大きすぎないので、FPS系など高フレームレートを重視したい場面ではWQHDやフルHDに設定を落としても画素密度が低くなりすぎないので使いやすいです。
他にもHDMI2.1にも対応しているのでPS5などの最新ゲーム機でも4K/120Hz、VRRが使えるので相性が良いです。
工場出荷時キャリブレーション済みでDelta E ≤ 2の色精度
「MAG 272UP QD-OLED E16」はDCI-P3カバー率99%・AdobeRGBカバー率98%の広い色域に加え、工場出荷時のキャリブレーションによってDelta E(色差)≤ 2を保証しています。
Delta E 2以下は、人間の目では色のズレがほとんど判別できないとされる水準であり、購入直後から正確な色表現を発揮できる状態で使えます。
なので写真のRAW現像・動画のカラーグレーディング・イラスト制作などクリエイティブ用途でも使いやすいです。
追加のキャリブレーション作業なしで使い始められる点は、セミプロや趣味でクリエイティブに取り組むユーザーにとって大きな利点だと思います。
有機ELならではの応答速度0.03ms(GTG)
画質の良さ以外の有機ELのもう一つの大きなメリットとして、応答速度の速さが挙げられます。
その応答速度は0.03ms(GTG)で、液晶モニターでは実現が難しい超高速なピクセル切替を発揮し、動きの速いゲームや素早いカメラ操作でも残像感が出にくく、映像の動きがクリアに見えます。
これに165Hzのリフレッシュレートと組み合わせることで、動きの速いゲームタイトルでも見やすい映像映してくれます。
24.5インチモードに対応
画面の周りを真っ黒にして疑似的に小さいサイズに表示できる24.5インチモードに対応しています。
これは特にFPS系のゲームをプレイする際に役立つ機能になっていて、と言うのもFPSでは、
- キルログ
- スキルの状況
- 体力
- マップ
など、画面端に表示されている情報を確認しつつ中央に映る敵にも集中する必要があるので、画面端と中央の視線の行き来が多いです。
そこでこの機能を使う事で、画面端と画面中央の視線移動の距離が減らせるので見逃しや眼精疲労の軽減に繋げられます。
なので普段は27インチの大画面で使用してFPSをプレイする時だけ24インチモニターとして使う事が出来るので、場面に合わせて快適に使いやすくなっています。
HDMI 2.1 × 2とUSB-C搭載でPCとコンソールをまとめて接続できる
HDMI 2.1を2口搭載しており、PCとPS5・Xbox Series Xをそれぞれ接続しても端子に余裕があります。
さらにUSB-C(DisplayPort Alt mode)入力も備えており、MacBookなどUSB-C出力対応のノートPCから映像を出力することもできます。
(ただし給電は15Wのみ)
チルト・高さ・スイベル・ピボット全対応のフル可動スタンド
スタンドはチルト(-5°〜+20°)・高さ調整(0〜110mm)・スイベル(-30°〜+30°)・ピボット(-90°〜+90°)の4軸すべてに対応しています。
縦置き(ポートレートモード)にも切り替えられるため、コーディングや縦スクロール中心の作業にも活用できます。
そしてデスクの高さや椅子の位置に合わせて細かく調整できるため、姿勢に負担の無い長時間使い続けやすい位置に調整しやすいです。
AIビジョン対応で自動で見やすい設定にしてくれる
「AIビジョン」はゲームや動画、Webなど表示内容に応じてコントラストや彩度を自動でチューニングしてくれる機能です。
暗部はつぶれを抑えつつディテールを持ち上げ、明部は白飛びを抑えて情報量をキープしてくれます。
また色味も派手になりすぎない範囲で鮮やかさを補正してくれるので、タイトルやジャンルを問わずちょうど良い見やすさに整えてくれます。
なのでモニターの設定に詳しくない方でも見やすい画質設定で使いやすくなっています。
OLED Care 2.0と3年保証で安心して長期運用しやすい
OLEDパネル特有の焼き付きを抑えるため焼き付き防止機能「MSI OLED Care 2.0」を搭載しており、
- 複数アイコン検出
- ピクセルシフト
- パネル保護
- 静止画検出
- 境界線検出
- タスクバー検出
- 複数ロゴ検出
の7つの保護機能を備えています。
ちなみにパネル保護サイクルは旧世代の16時間ごとから24時間ごとに延長されており、使用中に保護処理が割り込む頻度が減っています。
また日本国内向けには3年間の保証も提供されており、通常使用での焼き付きが発生した場合も保証対象となっているので安心です。
なので焼き付き防止機能と保証があることで、長期間安心して使い続けやすい有機ELモニターとなっています。
ちなみに焼き付き防止機能以外にもパネルの表面硬度が従来の2Hから3Hに強化されており、日常使用での耐傷性は約2.5倍向上したとされています。
デメリット・注意点
USB-C給電が最大15Wのみで、ノートPCを充電しながら使う用途には対応しない
USB-Cから映像入力は可能ですが、給電は最大15Wにとどまります。
一般的なノートPCを充電しながら映像出力するには45〜65W以上の給電が必要なので、「MAG 272UP QD-OLED E16」のUSB-Cは充電には実質対応していないと思っておいた方がいいです。
スピーカー非搭載
「MAG 272UP QD-OLED E16」にはスピーカーが内蔵されていません。
とは言え、モニター内蔵スピーカーは、構造上どうしても音質が犠牲になりがちなので、
FPSで足音などの方向を正確に聴き取りたい
高音質を楽しみたい
と言う場合はどちらにしてもヘッドセットやイヤホン、外部スピーカーなどを用意する必要があります。
そしてスピーカーが無いことでコストを抑えられている部分もあるので、内蔵スピーカーが不要な方にとっては逆にメリットに感じられると思います。
USBハブ機能が無い
USB-Cには対応していますが、USBハブ機能には対応していません。
なのでモニター側にマウスやキーボードをまとめて接続する事は出来ないです。
165HzはFPSプレイヤーには物足りない可能性がある
リフレッシュレート165Hzとなっているので、最低でも240Hzは欲しいガチなFPSゲーマーにはむいていません。
ちなみに4K/240Hz対応モデル「MAG 272UP QD-OLED X24」も展開されているので、より高いリフレッシュレートを優先にするならそちらを検討するのがおすすめです。
おすすめしやすい人、おすすめしにくい人
おすすめしやすい人
- 4K有機ELの画質に優れたモニターが欲しい方
- 165Hz対応でゲームでも使いやすいモニターが欲しい方
- PCゲームと写真・動画編集を1台のモニターで兼用したいクリエイター
- PS5・Xbox Series XとPCを同じモニターで使い分けたいユーザー
- 焼き付き防止機能、保証による安心感が欲しい方
- 27インチクラスの4K OLEDで、画質と使いやすさのバランスが欲しい方
- AI機能で手軽に見やすい設定で使いたい方
おすすめしにくい人
- 240Hz以上が欲しいガチのFPSゲーマーの方
- USB-C 1本でノートPCの映像出力と充電を同時に済ませたい人
- モニターをUSBハブとして周辺機器をまとめて接続したい人
まとめ
この様に「MAG 272UP QD-OLED X24」は、5層タンデムQD-OLEDの映像品質と、出荷時キャリブレーション済みの色精度に、26.5インチ・4K・165Hzまで持ち合わせたバランスの良いゲーミングモニターです。
深い黒と広色域の映像体験はゲームだけでなくクリエイティブ用途にも通用し、HDMI 2.1 × 2によるコンソールとの共用のしやすさ、OLED Care 2.0と3年保証による長期運用のしやすさも強みです。
一方で、USB-C給電が15Wのみ・スピーカー非搭載・USBハブなしという構成は、高価格帯モニターとしては惜しい点もあります。
FPS競技用途ではなく、映像品質とゲーミング性能をバランスよく求める方や、PCとコンソールを1台で兼用したい人におすすめです。








