
ASUSの「ROG Strix Pulsar XG27AQNGV」 は、NVIDIAが開発した新世代の残像低減技術「G-SYNC Pulsar」を搭載した27型WQHDゲーミングモニターです。
360HzのリフレッシュレートとUltrafast IPSパネルを組み合わせ、FPSをはじめとする競技ゲームで「動く敵を正確に捉えたい」「残像感を徹底的に減らしたい」というプレイヤーに向けて設計されています。
価格は高価格帯に位置しますが、液晶パネルとしての残像低減性能にこだわったモデルを探している方にとっては、有力な候補になり得る一台です。
基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サイズ | 27インチ |
| 形状 | 平面 |
| パネル | Ultrafast IPS(ASUS独自技術) |
| 解像度/リフレッシュレート | WQHD/ 360Hz |
| 応答速度 | 1ms(GTG) |
| 色域 | DCI-P3 90% |
| 輝度(標準/HDRピーク) | 400 cd/m²(標準) 500 cd/m²(HDRピーク) |
| コントラスト比 | 1000:1 |
| HDR | 対応 |
| 対応端子 | DisplayPort 1.4 DSC ×1 HDMI 2.1 ×2 USB 3.2 Gen 1 Type-A ×3 イヤホンジャック ×1 |
| スピーカー | 非搭載 |
| スタンド調整 | 高さ(0〜110mm) チルト(-5〜+20°) スイベル(±45°) ピボット(±90°) |
| VRR | 対応 |
| 保証(日本国内) | 3年 |
「XG27AQNGV」 の最大のポイントは、G-SYNC Pulsarと呼ばれる残像低減技術です。可変リフレッシュレートとバックライトスキャニングを同期させる仕組みで、液晶パネルでありながらOLEDに迫る動体解像度(動いている被写体をブレずにどれだけ鮮明に表現できるか)を目指して設計されています。
そしてWQHDは、フルHDより情報量が多く、4Kよりも高フレームレートを出しやすいバランスの良い解像度です。
特徴・メリット
液晶パネル最高水準の残像低減技術「G-SYNC Pulsar」を搭載
「XG27AQNGV」 の最大の特徴として挙げられるのがG-SYNC Pulsarです。
従来の液晶モニターでは、映像を一定時間表示し続けることで発生する「ホールドボケ」と呼ばれる残像が避けられませんでした。
G-SYNC Pulsarは、バックライトのスキャニング(点灯・消灯の繰り返し)と可変リフレッシュレートを精密に同期させることで、この残像を大幅に抑制します。
これによりASUSとNVIDIAは、
「液晶パネル比で最大4倍相当の動体解像度」
と説明しており、フレームレートが変化する激しいシーンでもクリアな映像で視認しやすくなっています。
そしてレビューでも、フレームレートの変動が大きい場面での残像感のなさが特に好意的に評価されています。
27インチ×WQHD × 360Hz × 1ms(GTG) にASUS独自のUltrafast IPSパネル
WQHDに加えて360Hzに対応していて、高解像度と高リフレッシュレートの両立は競技ゲームと日常使いのバランス面で優れています。
例えば普段使いでは、WQHDはフルHDより一度に表示できる情報量が多く、27インチであればズーム設定にしなくても十分見やすい大きさを維持してくれます。
その為、二つのウィンドウを同時に並べた作業もしやすく、またWQHDは文字の輪郭もはっきり表示してくれるので文章も読みやすくなります。
なのでWQHDと言えば、
「ゲームなどの映像の画質向上」
と言うのが目立つ魅力だと思いますが、作業の効率性も上げてくれるものです。
そしてFPSタイトルであれば、WQHDは4Kほど負荷が高く無いので、高性能なGPUとの組み合わせで360fpsを出しやすいです。
これは特に対戦系FPSゲームでメリットを感じやすく、
- 視点操作の動きが滑らかになってエイムがしやすくなる
- 素早く動く物の動きが滑らかになって視認性が良くなる
- 遅延が少なくなる
など他プレイヤーよりも有利な環境でプレイできます。
また27インチであれば画質設定をフルHDに落としても粗さが目立ちにくいので、
「FPSをプレイする時だけフルHDに設定を落とす」
と言う使い方もありです。
そうする事で、普段の作業や画質重視のゲームではWQHDで快適に使え、FPS系ゲームではフルHDでハイスペックPCで無くてもフレームレートを維持しやすくなり、360Hzを最大限活かしやすくなります。
そしてパネルにはASUS独自のUltrafast IPS技術を採用しており、IPSパネルの特長である広視野角と良好な色再現性を維持しながら、1ms(GTG)の応答速度を実現しています。
なので「XG27AQNGV」 は画質と高速性能の両方に優れたモニターとなっています。
ΔE<2の色精度と出荷時キャリブレーションレポート付属
色精度の指標であるΔE(デルタE)が2未満を達成しており、色の誤差が少ない正確な発色が期待できます。
また、各製品に個別のキャリブレーション(色調整)レポートが同梱されており、購入時点から色精度の担保がとられています。
そしてDCI-P3カバー率は90%でクリエイター専用機には及びませんが、ゲーム用途などには十分な色域です。
なので軽い画像確認や色を重視する作業にも対応できる水準にあります。
NVIDIA GPU非搭載環境でもULMB 2で残像低減が使える
G-SYNC Pulsarが動作するのはNVIDIA GPU使用時のみですが、本機にはULMB 2(Ultra Low Motion Blur 2)も搭載されています。
ULMB 2はバックライトのストロービング(高速点滅)によって残像を低減する技術で、HDMI接続時やAdaptive-Sync環境(AMD GPUなど)でも利用可能です。
第2世代となるULMB 2では、初代ULMBから輝度の低下が大幅に改善されており、残像低減と画面の明るさを以前よりバランスよく両立できるようになっています。
とは言え「G-SYNC Pulsar」が使えない環境だと「XG27AQNGV」を選ぶ理由が薄くなってしまうので、NVIDIA GPU搭載PCを持っていない方にはあまりおすすめしにくいです。
充実したスタンド調整と1/4インチネジ孔が使い勝手を高める
スタンドは高さ(0〜110mm)・チルト・スイベル・ピボットのすべてに対応しており、ゲームプレイ中の姿勢に合わせた細かなポジション調整が可能です。
さらに、スタンドアームの頂部には1/4インチネジ孔(カメラやマイクスタンドと同規格)が搭載されています。
ウェブカメラやマイクスタンドをモニター頂部に固定できるため、配信環境を整えたいプレイヤーにとっては実用的なポイントです。
コンパクトな台座設計(奥行き約188mm)も合わせて、デスク上のスペースを圧迫しにくい設計になっています。
USB 3.2 Gen 1 Type-A ×3のハブ機能で周辺機器をまとめられる
モニター側面にUSB 3.2 Gen 1(USB 3.0相当)のType-Aポートが3基搭載されています。
ゲーミングマウス・キーボードなど複数の周辺機器をモニターにまとめて接続でき、PC本体側のUSBポートを節約できます。
高価格帯モニターとして、こうした周辺機器の取り回しに関わる利便性が備わっている点は良い所だと思います。
デメリット・注意点
HDMI接続では120Hzに制限され、G-SYNC Pulsarも利用できない
HDMI 2.1ポートを2系統搭載していますが、HDMI接続時のリフレッシュレートは最大120Hzに制限されます。
また、G-SYNC PulsarはDisplayPort接続かつNVIDIA G-SYNC有効時にのみ動作するため、PCゲームでG-SYNC Pulsarの恩恵を得るにはDisplayPort接続が必須です。
なのでPCはDPで接続、PS5やXbox Series Xなどのゲーム機はHDMIで接続、と言った使い方を考えている方に向いています。
スピーカーが非搭載なので音声出力の準備が別途必要
内蔵スピーカーは搭載されていません。
音声出力はイヤホンジャックのみとなるため、スピーカーから音を出したい場合は外部スピーカーなどの外付けの音響機器が必要です。
ゲームプレイ中にヘッドセットを使う方には影響が少ないですが、スピーカーを前提に考えている方は気を付けて下さい。
G-SYNC Pulsarの恩恵を最大限得るにはNVIDIA GPUが必要
「XG27AQNGV」の特徴であるG-SYNC PulsarはNVIDIA G-SYNCを有効にした環境でのみ動作します。
AMD Radeon GPUを使用している環境では、ULMB 2やAdaptive-Sync(FreeSync相当)は利用できるものの、G-SYNC Pulsarは動作しないので気を付けて下さい。
WQHDで360Hzを安定して維持するには高性能なGPUが必要
WQHDでフレームレートを常時360fps前後に維持するためには、現行最上位クラスのGPUが必要になります。
軽量な競技タイトルであれば高フレームレートを狙いやすいですが、グラフィックの重いタイトルでは300fps超えを維持することは容易ではありません。
ゲームの種類とGPU性能のバランスを考慮した上で導入を検討するとよいでしょう。
HDR性能は控えめなので、映像コンテンツのHDRには過度な期待は禁物
本機はHDR10に対応していますが、DisplayHDRなど具体的な認証の取得については公式スペックに記載がありません。
ピーク輝度は500 cd/m²、コントラスト比は1000:1であり、OLED特有の深い黒表現や600cd/m²以上の高輝度HDRと比べると表現の幅に限界があります。
なので映像コンテンツや映画でのHDR体験を重視する方には、「XG27AQNGV」のHDR性能は物足りなく感じる可能性があります。
おすすめしやすい人、おすすめしにくい人
おすすめしやすい人
- 競技系FPSで、動く敵の視認性を液晶パネルで極限まで高めたいPCゲーマー
- NVIDIA GPU(GeForce RTX 40〜50シリーズクラス)を使用しており、G-SYNC Pulsarの恩恵を最大限活用できる環境にある方
- OLEDの焼き付きリスクを避けながらも、高速描写性能を重視したい方
- WQHDの解像度でFPSでの使いやすさと画質のバランスを取りたい方
- ストリーマーや配信者など、モニタースタンドにカメラやマイクを固定したい方
おすすめしにくい人
- AMD Radeon GPUユーザーで、G-SYNC Pulsarを主な目的として検討している方
- PCをHDMI接続でメインに使いたい方(120Hz制限)
- 液晶では無く有機ELの方が良い方(同価格帯で有機ELモデル多い為)
- 映像制作や写真編集など、広色域・高精度な発色を必要とするクリエイター用途がメインの方
- 映画や動画コンテンツのHDR体験を重視する方
まとめ
この様に「XG27AQNGV」は、液晶パネルの弱点とされてきた残像問題に正面から取り組んだ意欲的なゲーミングモニターです。
G-SYNC PulsarとUltrafast IPSの組み合わせにより、
「OLEDの焼き付きは避けたいが、動体の見え方は妥協したくない」
という層に対して、これまでになかった選択肢を提供しています。
そして価格は決して安くはありませんが、NVIDIA GPUを使用した競技ゲーム環境であれば、その価値を感じられる場面は十分にあるでしょう。
購入前にGPU環境・接続方法・主にプレイするゲームタイトルを確認した上で、自分の用途に合うかどうかを判断することをおすすめします。









