
LGの「27GX700A-B」は26.5インチ、WQHD/280Hzと言う高解像度高リフレッシュレートに第4世代OLEDを搭載したモデルです。
ちなみに第4世代OLEDを搭載したのはこのモニターが初めてです。
第四世代になった事によって消費電力を抑えつつ最大輝度と安定感、コントラストが強化され、色精度も向上されています。
更にOLEDならでは応答速度0.03msの爆速に24.5インチモードまで搭載されているので、画質が良いだけで無く競技系FPSとも相性が良いです。
今回はそんな「27GX700A-B」の特徴や良い点、気になる点について解説していくので是非参考にしてください。
スペック表
性能 | |
---|---|
サイズ | 26.5インチ |
パネル | 第4世代 有機EL (Primary RGB Tandem / 4-stack WOLED、アンチグレア) |
解像度 | WQHD |
Hz | 280Hz |
応答速度 | 0.03ms(GtG) (VESA ClearMR 13000) |
色域 | DCI-P3 99.5% |
輝度 | 335cd/㎡ ピーク時 1500cd/㎡(APL 1.5%) |
コントラスト比 | 1,500,000:1 |
HDR | VESA DisplayHDR True Black 500 |
対応端子 | HDMI 2.1 ×2 DisplayPort 1.4 ×1 USB-A(Down) ×2 USB-B(Up) ×1 ヘッドホン出力4極(マイク対応) |
スピーカー | なし |
スタンド調整 | チルト:前 -5° ~ 後 +15° 高さ調整:110 mm スイベル:左 30°/右 30° ピボット:左 90°(反時計回り) |
VRR | AMD FreeSync Premium Pro NVIDIA G-SYNC Compatible VESA Adaptive-Sync |
良い点
第4世代のOLED
「27GX700A-B」は第4世代のOLEDを初めて搭載したゲーミングモニターとなっています。
この第4世代のOLEDは「Primary RGB Tandem」という4層RGB構造を採用しています。
(第3世代は三層構造)
これによって第三世代のOLEDと比べて、
- 消費電力が減少
- 輝度が335cd/㎡(ピーク輝度 1500cd/㎡(APL 1.5%))
(第三世代は275cd/㎡(ピーク輝度 1300cd/㎡(APL 1.5%)) - 明るいシーンでも輝度が落ちにくく、見た目の安定感が増した
- より深いコントラスト、細部のキレ、色精度良くなり色域がDCI-P3 99.5%に向上
(第三世代はDCI-P3 98.5%)
この様に明るさ、消費電力、色の緻密さが一段と強化されています。
WQHD/280Hzのバランスの良さと応答速度0.03msで超高速
WQHDの解像度によってゲームなどの画質が良いだけで無く、PC作業時の文字の見やすさなども良いです。
また280Hzの滑らかさと応答速度0.03msの高速性能も持ち合わせているので、対人戦FPSにおいても役立ってくれます。
またWQHDは4KほどPCへの負荷が高く無いので、WQHD設定で280FPSもハイスペックは必要ですが、4Kよりは出しやすくなっています。
VESA DisplayHDR™ True Black 500に対応
有機ELならではの殆ど無限と言える黒レベルと、ピーク輝度1500cd/㎡の強い輝きで高いHDR効果を発揮してくれます。
それを示す様に第三世代OLEDでは「VESA DisplayHDR™ True Black 400」だったのが、第四世代になった「27GX700A-B」では「True Black 500」の認証を所得しています。
24インチモードに対応
このモニターは26.5インチですが、
「表示領域を24インチの範囲に限定させて周りを黒くする」
と言う24インチモードが搭載されています。
これによって疑似的に24インチモニターとして使う事が可能で、特に対人戦FPS系ゲームでメリットが得られます。
と言うのもFPSでは、
- キルログ
- マップ
- スキルの状況
など様々な情報を確認しながら目の前の敵にも集中する必要があり、視線移動が画面中央と画面端を行き来する頻度が高いです。
そこでモニターサイズを小さくする事によって、
- 敵や情報を見逃しを防ぐ
- 視線移動の距離が減って疲労を抑えやすくする
等の効果が得られるので、24インチモードの存在は大きなメリットに感じられると思います。
それでいて普段のPC作業では26.5インチの大きめな画面サイズで使えるので、用途に合わせて使い分けられる良い所取りの様な機能になっています。
豊富な対応端子
HDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4×1と言う映像ポートに加えてUSBハブ機機能も搭載されています。
HDMI2.1なのでPS5でもVRRが使用可能なのでPCとPS5の兼用で使うのにも向いています。
4極ミニプラグ対応のヘッドホン出力でマイク入力、DTS Headphone:X®にも対応
4極ミニプラグのヘッドセットであれば、ヘッドホン出力に加えてマイク入力も可能になっています。
更にバーチャルサラウンド機能である「DTS Headphone:X®」に対応しているので、手軽に臨場感あるサラウンド音声を楽しめます。
焼き付き防止機能搭載
画面を一定間隔で少しずつ動かしたり、ピクセルクリーニング機能やスクリーンセーバーなど焼き付き防止機能が搭載されています。
その為、有機ELは液晶よりも焼き付きの可能性が高いと言われていますが、これらの機能によって防止されているので安心して使いやすいです。
チルト、高さ、スイベル、ピボット一通りの調整に対応したスタンド
スタンドは全ての調整に対応しているので思い通りの位置に調整しやすくなっています。
なのでデスクスペースを広げたいと言う訳で無ければ、モニターアームを用意しなくても使いやすいです。
人によっては気になる点
USB-Cは非対応
USBハブ機能はありますがUSB-Cには対応していないのでノートPCをケーブル一本で使いたい、と言う方には向いていません。
スピーカー非搭載
スピーカーが搭載されていないので、音を出すには別で外部スピーカーを用意する必要があります。
WQHD/280Hzの性能を活かすにはハイスペックPCが必要
上で4Kよりは負荷が少ないと書きましたが、それでもWQHD/280FPSを維持するにはかなり高いPCスペックが必要になります。
例えばフルHDと比較するとWQHDは約1.8倍の解像度なので、PCへの負荷も1.8倍多く掛かります。
なのでWQHDで280FPS維持するには、フルHDで504FPS維持できるレベルのPCスペックが必要になります。
ただし、FPSをプレイする時だけフルHDに設定を下げる事でPCへの負荷を下げられるので、フレームレート重視でプレイしたい場合はそのような使い分けがおすすめです。
更にこのモニターに搭載されている24インチモードを使う事によって、フルHDに下げても画面サイズが小さくなり密度が下がりすぎないので、解像度低下による画質の粗さも抑えられます。
なので滅茶苦茶ハイスペックなPCを使っていないのであれば対人戦FPSをプレイする時だけ24インチモードと組み合わせて設定を下げるのがおすすめです。
WQHD/280Hzモニターとしてはトップクラスに高額(2025年9月時点)
WQHD/280Hzモニターと言うスペックを持つモニターとしてはトップクラスに高額なのでコストを抑えたいと言う人には向いていません。
ただし高価格な分、上で書いて来た様にとても優れたモニターとなっているので、コストを気にせず最高峰のWQHD/280Hzモニターが欲しい方に向いています。
こんな人におすすめ!
- 第4世代のOLEDの改良点に魅力を感じる方
- WQHD/280Hz/OLED/0.03msによる画質面、高速性能の両方を求める方
- 24インチモードが欲しい方
- 高いHDR効果を求める方
この様に「27GX700A-B」は第4世代OLED×WQHD×最大280Hz×0.03msという動きと映像美を両立させたハイエンドゲーミングモニターです。
更にTrue Black 500によるHDR効果、24インチモードや使い勝手の良いフル可動スタンド、豊富な対応端子など、ゲーミング以外の用途でも使いやすいです。
一方でUSB-C非対応、スピーカー非搭載、価格は高めなど人によっては欠点に感じるかもしれない点もありますが、このモニターが欲しいと感じる方にとってはそこまで問題に感じない点だと思います。
なのでコストを気にせず、競技向けの速さとOLEDの映像美を同時に取りにいくゲーマーに最適な一台です。