今回はまだ発売前ですが、「K70 RGB PRO」を提供して頂いたので、そのレビューを書いていきます。
ちなみにこのキーボードには
の2種類がありますが、今回レビューするのはスピード軸モデルの方になります。
スペック
スペック | |
---|---|
形状 | フルサイズ |
配列 | 日本語配列 |
アクチュエーションポイント | スピード軸 = 1.2mm 赤軸 = 2mm |
押下圧 | 45g |
キーストローク | スピード軸 = 3.4mm 赤軸 = 4mm |
耐久性 | 1億回 |
サイズ(高さ×幅×奥行) | 444mm × 166mm × 40mm |
バックライト | RGB |
マクロ機能 | 対応 |
マルチメディア機能 | 対応 |
USBパススルー機能 | 未対応 |
外観と付属物
付属物
本体以外の付属品については、
- 保証ガイド
- 安全ガイド
- USBケーブル(TypeC-A)
- パームレスト
となっています。
真ん中には「CORSAIR」と表記がされています。
そしてザラつきのある質感になっていて滑りにくいので、しっかり手首を置きやすくなっています。
キーボードとの取り付けはマグネットでくっつく様になっています。
裏面にもグリップが付いているので、使用中に位置がずれたり外れる事もありません。
個人的にパームレストを付けた方が、手の位置が高くなって自然な力加減でタイピングしやすくなるので、疲れにくく感じます。
なのでスペースは多く取ってしまいますが、長時間のタイピングをする場合は付けて使う方がおすすめです。
外観
ボディはアルミになっていて高級感があります。
右上にはミュージックプレーヤーなどの操作がまとめられていて、
- 再生、停止
- ボリューム調整
- ミュート
- 次に進む
- 前に戻る
などが行えます。
左上では左から、
- プロファイルの切り替え
- ライトの明るさ調整
- Windowsキーのロック
となっています。
キースイッチは平面状のボディの上に取り付けられているので掃除がしやすいです。
上側にはUSBケーブルを接続する部分と、トーナメントスイッチがあります。
(USBはType-Cです。)
このトーナメントスイッチをONにすると
- マクロ機能が無効
- バックライトが1色のみに変更
と言う様に、設定が瞬時に切り替わります。
裏側には滑り止めが付いているので、使用中に位置がずれにくいです。
角度を付ける足も付いているので、お好みでこれを立てて使う事が可能です。
高さは2段階の調整が出来ます。
ソフトウェアでの設定
「K70 RGB PRO」はCORSAIRのソフトウェア「iCUE」を使って細かい設定を変更する事が出来ます。
この項目ではその設定について簡単に書いていきます。
キーの設定
キーの設定については項目が、
- キー割り当て
- ハードウェアキー割り当て
の2つの項目が存在しています。
この2つの項目の違いについては、
- キー割り当て = ソフトウェア「iCUE」を起動した状態で有効になる設定
- ハードウェアキー割り当て = キーボード本体に保存する
(「iCUE」を起動していない、インストールされていない状態でも有効になる設定)
と言う違いになっています。
なのでオンボード状態でキーボードを使いたい場合は「ハードウェアキー割り当て」の方で設定すると良いです。
ちなみに割り当てられる物は、
- キー
- 言語キー
(全角半角など) - マウス
- テキスト
- メディア
(再生、停止など) - アプリの起動
- 無効化
- プロファイル変更
- マクロ
- VOICEMODのショートカット
などがあります。
ライティングの設定
ライティングについても設定項目が、
- 照明効果
- ハードウェア照明
の2つありますが、これについてもキーの割り当てと同じで、
- 照明効果 = ソフトウェア「iCUE」を起動した状態で有効になる設定
- ハードウェア照明 = キーボード本体に保存する
(「iCUE」を起動していない、インストールされていない状態でも有効になる設定)
となっています。
その為、オンボードで使う方はハードウェア照明の方で設定すると良いです。
そしてライトの光り方については
- 水彩スペクトル
- ウォーターエフェクト
- カラーパルス
- カラーシフト
- カラーウェーブ
- オーディオビジュアライザー
- レイン
- レインボーウェーブ
- スパイラルレインボー
- 照明タイプ
- バイザー
と豊富なのに加えて、最大20層を重ねて設定する事が出来ます。
なのでライティング設定の自由度が高いです。
パフォーマンスの設定
パフォーマンスの項目では、
- Windowsロック状態で無効化するキーの組み合わせ
- ロック時のライトの色と明るさ
が変更できます。
デバイス設定
デバイス設定では、
- ファームウェアの確認
- ポーリングレートの変更
- 明るさ調整
- キーのレイアウト
- バウンス時間
- トーナメントモード時のライトのカラー
- オンボードメモリの変更
が行えます。
ポーリングレートでは一般的な125Hz~1000Hz以外に、
- 2000Hz
- 4000Hz
- 8000Hz
にも変更できます。
ダッシュボード
ダッシュボードの項目ではPCのグラボやCPU、マザボの温度などを確認する事が出来ます。
良かった点
アクチュエーションポイントと底打ちまでが浅く、素早い操作がしやすい
「K70 RGB PRO」は、
の2種類があり、最初に書いた通り自分はスピード軸モデルをレビューしています。
そしてスピード軸はFPSゲーマーから人気のある軸となっていて、キーを押してから操作が反映されるまでが速く、素早い操作がしやすいです
スピード軸を使った事が無い方向けに、個人的に感じる打ち心地を書くと、
- 引っ掛かり無く底まで滑らかに押せる
- 反発力は強すぎず弱すぎない滑らかさを感じる重さ
- 反発力に任せて元の位置に戻せるので、連続したキー操作がしやすい
- 青軸の様にスイッチ自体が大きな音を出さない
(ただし底打ちの音は出る)
と言った様な感じです。
なので打ち心地自体は赤軸と似ていますが、大きな違いとしてアクチュエーションポイントとキーストローク幅が短くなっています。
これによって軽い力で少し押し込むだけで反応するのでFPSと相性が良く、慣れればより思い通りの操作がしやすいです。
逆に人によっては、
「少し触れただけで反応するのでタイプミスがしやすい」
と感じる場合があるので、使いこなすまでは慣れが必要かもしれません。
キーキャップがざらつきのある質感で滑りにくく汚れにくい
キーキャップについては「PBT ダブルショットキーキャップ」で、摩耗や色落ちがしにくくなっています。
そして触り心地がざらざらしていて滑りにくく、テカリが出にくいので汚れにくいです。
個人的にキーキャップの汚れは長期間使うほど気になってくるので、この点は大きなメリットに感じています。
トーナメントスイッチでゲームに不要な機能を瞬時にOFFに出来る
キーボードの上側のスイッチを入れる事で、瞬時にトーナメントモードにすることが出来ます。
これによってゲームに不要なマクロ機能を無効化出来るので、普段使いとゲームでの使い分けがしやすいです。
オンボードに最大50個の設定を保存可能
オンボード機能はキーボード自体に設定を保存出来る物で、本体に設定を保存しておけば、
- 普段使用しているPC以外に接続しても普段通りの設定が使える
- ソフトウェア「iCUE」をアンインストールしてもそのままの設定を使い続ける事が出来る
など便利に使う事が出来ます。
そしてキーボードの多くは、オンボードには3~5個までしか保存出来ない物が多く、10個以上保存できるモデルですら殆どありません。
それに対して「K70 RGB PRO」では最大50個と桁違いの設定を保存しておくことが可能です。
なのでたくさんの設定を使い分けたいと言う方にとっては大きなメリットに感じられると思います。
キーとは別でマルチメディアやWindowsロックキーなどが付いている
キーボードによってはマルチメディアやWindowsロックキーはFnキー同時押しで操作する物もありますが、「K70 RGB PRO」では本体にボタンが付いています。
これによって視覚的に何の操作を行うのかが分かりやすく、指一本で操作できるのでとても手軽です。
スイッチの耐久性が1億回
通常CHERRY製のスピード軸の耐久性は5000万回となっています。
しかし「K70 RGB PRO」に搭載されているCHERRY製スピード軸は1億回とより頑丈になっています。
その為、他社の多くのキーボードより耐久性に優れているので、長期間安心して使い続け易いです。
人によっては気になる点
金属の反響音がする
底打ちまでタイピングすると「カーン」と言った感じで金属の反響音が出ます。
これはFPSでWASD操作などをしている分には出ませんが、文章を打つ為にタイピングをしているとずっと金属の反響音が聞こえる状況になります。
ただしそこまで大きな音量では無いので、音楽などを流していれば気になりません。
静かな場所でタイピングをする機会が多い方からすると、この音が気になるかもしれません。
アクチュエーションポイントが浅いので、タイプミスしやすくなる可能性がある
スピード軸は他のメカニカル軸と比べて
- アクチュエーションポイントが浅い
- キーストロークが浅い
と言う特徴があり、反応しやすくなっています。
なので青軸など、スイッチ感のあるスイッチを使っていた方からすると、ミスの無いタイピングが難しく感じるかもしれません。
レポートレート8000Hzによるメリットは特に体感出来ない
通常のキーボードは1000Hzが多いですが、「K70 RGB PRO」では8000Hzまで設定する事が出来ます。
これによって理論上は普通のキーボードよりも8倍速い速度で操作を反映させる事が可能です。
しかし8000Hzに設定しても特別キー操作がしやすくなった、速くなったと言う事は感じられませんでした。
なのでこの8,000Hzに期待しすぎると拍子抜けするかもしれないです。
またレポートレートを高くすると、
- ゲームによっては対応しておらず、操作の途切れなどが発生する場合がある
- PCスペックが低いと正常な動作をしなくなることがある
などの不具合が出る場合がありますが、しばらく使用しても不具合を体感する事はありませんでした。
以前レビューした8000Hz対応のマウス「Viper 8K」では殆どのゲームタイトルでカクつきなどが発生していました。
なのでキーボードはマウスよりも不具合が出にくいのかもしれません。
それでも気づいていない部分で不具合が出ている可能性もあるので、メリットが体感出来なければ1000Hzで使用するのが無難だと思います。
テンキーレスモデル(K70 RGB TKL CHAMPION)との比較
K70 RGB PRO | K70 RGB TKL CHAMPION | |
---|---|---|
形状 | フルサイズ | テンキーレス |
配列 | 日本語配列 | 日本語配列 |
アクチュエーションポイント | スピード軸 = 1.2mm 赤軸 = 2mm | スピード軸 = 1.2mm 赤軸 = 2mm |
押下圧 | 45g | 45g |
キーストローク | スピード軸 = 3.4mm 赤軸 = 4mm | スピード軸 = 3.4mm 赤軸 = 4mm |
耐久性 | 1億回 | 1億回 |
サイズ | 444mm × 166mm × 40mm | 360mm×164mm×40mm |
バックライト | RGB | RGB |
マクロ機能 | 対応 | 対応 |
マルチメディア機能 | 対応 | 対応 |
USBパススルー機能 | 未対応 | 未対応 |
以前にテンキーモデルである「K70 RGB TKL CHAMPION」の方も提供して頂いて手元にあるので、そちらとの比較をしていきます。
基本的にテンキーがあるか無いかが大きな違いとなっていて、
- 機能面
- 使われているスイッチ
- 質感
などについては全く同じです。
しかしいくつか違いもあって、
- サイズ
- マルチメディアキーの位置と押し心地
- 付属品
に違いがあります。
サイズの違い
横幅についてはテンキーのスペース分の違いがあり、約8cmくらいの差があります。
なので
- ローセンシ設定でマウスパッドのスペースを広く取りたい
- デスクスペースを広く取りたい
と言う方は「K70 RGB TKL CHAMPION」の方が良いと思います。
縦の長さはリストレストを付けなければ殆ど同じくらいです。
リストレストを付ける場合は「K70 RGB PRO」の方が8cm近く大きくなります。
ちなみに「K70 RGB TKL CHAMPION」の方にはリストレストが付属されていません。
高さについては、ほんの少しだけ「K70 RGB PRO」の方が高くなっていますが、体感上に違いはありません。
マルチメディアキーの違い
マルチメディアキーは配置と押し心地に違いがあります。
左上に配置されているボタンは、
- K70 RGB PROはプロファイルの切り替え、ライトの明るさ調整、Windowsキーのロック
- K70 RGB TKL CHAMPIONはミュージックプレーヤーの操作
となっています。
また「K70 RGB PRO」のこの三つのボタンはマウスのクリックの様な、押し幅が浅くカチッとした押し心地になっています。
そして右上には、
- K70 RGB PROはミュージックプレーヤーの操作、ミュートボタン、ボリューム調整
- K70 RGB TKL CHAMPIONはプロファイルの切り替え、ライトの明るさ調整、Windowsキーのロック、ミュートボタン、ボリューム調整
となっています。
また「K70 RGB PRO」のミュートボタンはマウスのクリックの様な、押し幅が浅くカチッとした押し心地です。
付属品の違い
K70 RGB PRO | K70 RGB TKL CHAMPION | |
---|---|---|
付属品 | ・保証ガイド ・安全ガイド ・USBケーブル(TypeC-A) ・パームレスト | ・説明書 ・保証ガイド ・安全ガイド ・交換用のキーキャップ(10個) ・キーキャップを取り外す器具 ・USBケーブル(TypeC-A) |
付属品は上記の通りです。
ちなみに「K70 RGB PRO」の説明書は公式サイトの商品ページからダウンロードできます。
特に気になる違いとしては、
- 「K70 RGB PRO」はパームレストが付属
- 「K70 RGB TKL CHAMPION」は交換用キーキャップが付属
となっています。
ちなみに「K70 RGB TKL CHAMPION」の交換用キーキャップは元々付いてるものとはカラーだけでなく質感も異なっていて、
- よりざらつきが強めな質感
- 形状がWASDを中心に操作をする時に合わせた形状
と言う様に作られています。
なので「K70 RGB TKL CHAMPION」の方がテンキーレスでコンパクトなのに加えて、付属品もよりゲーマー向けになっている様に感じます。
まとめ
- スピード軸で素早い操作がしやすい
- キーキャップが滑りにくく汚れにくい
- トーナメントスイッチでゲームに不要な機能を無効にできる
- 最大50個の設定をオンボードに保存できる
- キー以外のボタンが便利
- スイッチの耐久性が1億回と高い
- パームレストによってタイピングが楽にしやすい
- 強めに底打ちすると金属の反響音が鳴る
- スピード軸に慣れていないとタイプミスしやすくなる可能性がある
- レポートレート8000Hzのメリットは体感しにくい
この様に「K70 RGB PRO」はゲームでの操作性と機能面、そして耐久性に優れたゲーミングキーボードとなっています。
特にスピード軸は素早く操作を反映してくれるので、FPSなどのゲームでとても使いやすいです。
逆を言うと、スピード軸は反応しやすいので使いこなすまで慣れが必要かもしれませんが、その点が心配であれば「赤軸モデル」を購入するのが良いかもしれません。
またテンキーが付いている事によってExcelなどでも使いやすいです。
しかしFPSゲーマーからするとテンキーがマウス操作の邪魔に感じるかもしれません。
その場合はテンキーレスモデルである「K70 RGB TKL CHAMPION」の方が良いと思います。
それでは読んで頂きありがとうございました!